ここ数年で急成長したドローン業界。その市場はどのように拡がってきたのか、また、どのようなドローンメーカーが台頭しているのか、気になるドローン業界の市場について解説しています。
日本でのドローン利用のはじまり
業務利用・個人利用にかかわらず、当たり前のようにドローンが使われ、何かと世間を賑わせる時代になりましたが、もともとドローンはかなり昔から、軍事偵察や農薬散布などの用途として使われていました。
日本でのドローン利用は、1987年にヤマハから販売された産業用無人ラジコンヘリコプターが農薬散布の際に使われ、農業市場に大きな貢献をもたらしました。
このヤマハの農薬散布用ドローンの誕生が、その後のドローン業界の市場を活発にしていくきっかけとなり、今では企業だけでなく趣味の範囲での個人のドローン利用も人気が高まっています。
近年のドローン業界の市場動向
ここ数年でドローンの人気は非常に高まり、企業・個人問わず多くの人がドローンに関するニュースや話題に触れるようになりました。
2015年度の日本国内のドローンビジネス市場規模が175億円だったのに対し、翌年の2016年は倍の353億円となっています。
さらに2017年度は533億円までに拡大していることから、2022年度には2,116億円にまで達する見込みがあると言われています。
では、具体的にどのような業界分野でドローンが活用されているのでしょうか。
現時点では、以下のような業界分野や用途でドローンが使われています。
・空撮事業
・農薬散布サービス
・土木測量
・(設備)点検・検査
・災害救助
・デリバリー事業
空撮に関しては、個人でも趣味の範囲で楽しんでいる方は非常に多いでしょう。
またデリバリー事業は、ドミノピザエンタープライズやアマゾンがドローンを使った宅配サービスを開始するというニュースを耳にしたことがある方は多いかと思います。
このように、数年前では考えもしなかった発想で、多くの企業がビジネスにドローンの活用を取り入れてきているのです。
ドローン業界トップメーカーは?
ドローン活用の拡がりは果てしなく、市場も急成長していますが、ドローンを量産している業界のメーカーには、どのような企業が存在するのでしょうか?
今現在、次の企業がドローン業界のメーカーとして市場を占めています。
・DJI
ドローン市場のおよそ70%を占める、いわばドローン業界のリーディングカンパニーともいえる中国のメーカーです。DJIの「Phantom」シリーズは、プロ・アマ問わず大人気で、最も支持されているドローンシリーズといっても過言ではありません。
・ゼロ・ゼロ・ロボティクス(Zero Zero Robotics)
中国を拠点とする民生用ドローンメーカーです。ドローンのカメラに初めて人工知能(AI)を搭載したことで有名で、アップルのオンラインストアと実店舗で独占販売されています。
・3Dロボティクス(3D Robotics)
カリフォルニア州を拠点としたドローンメーカーで、日常の探索や業務での利用、空撮向けの製品開発に取り組んでいます。
・ユニーク(Yuneec)
中国に本社を置くユニークは、ドローン業界にて世界で初めて「パッケージから取り出せばすぐに飛ばせるドローン(Typoon Q500 クアッドコプター)」を開発し、非常に大きな人気を得ました。
・パロット(Parrot)
パリに本社がある、ドローン業界に新たに参入した企業です。中価格帯のホビー用ドローンの人気が非常に高く、ドローン市場のシェアを伸ばしてきています。
・ハブサン(Hubsan)
2010年に中国で設立されたドローンメーカーで、重量わずか11.5グラムの世界で最も小さなドローン「Nano Q4 wit」が有名です。
中国発のメーカーが多く見られましたが、今後はもっと多くの企業が新たにドローン業界へ参入してくると言われています。その中に日本のメーカーも入ってくると、国内での盛り上がりはますます期待できそうですね。
今後ドローンはどのように拡がっていくのか?
ドローン業界の市場は今後も大きな拡がりを見せると言われています。
ドローンを使った宅配サービスは、日本でも多くの企業が取り入れることを検討していますし、ホームセキュリティーとしての利用や気象観測での活用など、1日単位のスピードで市場は拡がりつつあります。空をドローンが飛び交うというSF映画のような光景が、近い将来実現するかもしれません。
一方で、すでに今でも懸念されているドローンの事故はさらに増える恐れがあることから、個人でのドローン利用の規制や、新たな法律による規制が行われるという可能性も十分にあります。
さまざまな立場から見た棲み分けや、問題が起きた時の具体的な解決法を含めたドローン活用法の検討が、今後の課題になるとも言えるでしょう。
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