千葉県千葉市では、ドローン宅配の実証実験が繰り返し行われていますが、それはどうしてでしょうか?千葉市がドローンの導入に積極的な理由や、実際にどのような実験が行われたのか、結果はどうだったのかなどを解説します。
千葉市がドローン宅配に積極的な理由は?
千葉市でドローン宅配の実証実験が積極的に行われている理由、それは千葉市が「国家戦略特区」に指定されているからです。国家戦略特区とは、産業の国際競争力の向上、国際的な経済活動の拠点の形成などを目的に、規制改革や施策を集中的に推し進めるための地域です。
千葉市には、都市部におけるドローンの近未来技術実証のための制度改革や、規制改革を集中的に検討するための「千葉市ドローン宅配等分科会」が設置されています。こうした背景があり、千葉市ではドローン宅配の実証実験が積極的に行われているという訳です。
千葉市で実際に行われたドローン宅配の実証実験とは?
千葉市では2016年4月〜2018年11月までの間に、3度のデモンストレーション飛行が行われました。それぞれ詳しく解説します。
第1回(2016年4月11日)
千葉市幕張新都心の大型商業施設の屋上から、ワインボトルを積んだドローンが飛び立ち、約150m離れた公園に着陸、無事に宅配を完了させたというものです。今でこそ「距離が短い」「荷物が軽い」といった印象を持つかもしれませんが、当時は都市部では初ということで大きな注目を浴びた実験でした。
続いて同日、同じく幕張ベイタウンにある公園から、高層マンションの屋上に市販薬を宅配するという実証実験が行われました。高さ31.2m、距離にして約120mの宅配を、ドローンが無事に完了させました。
第2回(2016年11月22日)
千葉市にある稲毛海浜公園、いなげの浜、海上において、荷物配送のデモンストレーション飛行を実施しました。これは、海上を飛行するという点が最も焦点となったポイントです。物流倉庫が立ち並ぶ市川市塩浜から、海上を経て目的地へ宅配するというケースを想定したものです。
この実験では、ドローン宅配専用のショッピングアプリが使われたり、現場から40kmほど離れている楽天本社からLTE電波を用いて遠隔指示、監視したり、ドローンにパラシュートを搭載して安全性を向上させたりと、大きな成果が見られた実験でした。
第3回(2018年10月24日)
千葉市で行われた3回目のデモンストレーション飛行は、ドローン宅配が現実のものとなることを実感させてくれる内容でした。現場となったのは千葉市幕張新都心のマンションのモデルルームで、風邪で動けない人に薬などを宅配するという設定で行われました。
目的地をインプットされたドローンが自律飛行で現場のマンションまで飛行、コンシェルジュ役がマンションの建物内で待機している地上配送ロボットに荷物を積み、あとはロボットがエレベーターなどを使って部屋の前まで届けるというものです。
これまで千葉市が行ってきたドローン宅配の実験では、「公園まで」「マンションの屋上まで」といった「ユーザーの手元」ではない部分まででしたが、今回はロボットとタッグを組むことで、無事に「ユーザーの手元」まで商品が宅配されたのです。
都市部のドローン宅配は千葉市がリードしていく!今後の動きに注目しよう
前述のように、千葉市は国家戦略特区に指定されていることで、ドローン宅配、とりわけ都市部におけるドローン宅配の実証実験が積極的に行われています。第3回目の実証実験で大きな進歩が見られるなど、千葉市は都市部におけるドローン宅配をリードしていく存在になっています。
ドローン宅配に興味がある人、ドローンを使った仕事に興味がある人はもちろん、都市部に暮らす人たちも、やがて来るドローン宅配時代に備え、千葉市のこうした活動にぜひ注目してみてはいかがでしょうか?
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