ドローンの飛行において知っておきたい個人情報保護法との関わりとは?

日本でもドローンの普及が急速に進みつつある昨今、趣味で楽しむ以外にも様々な場面での活用や、ドローンにまつわる新たなビジネスの創出など、期待は高まる一方です。そこで大切になってくることの一つにドローンにおける「個人情報」の問題があります。

ドローンがもたらす大きな可能性と個人情報保護法の関係について

ドローンの普及によってこれまで難しかった「空撮」が簡易になり、災害時の被害状況の確認、救助活動、支援物資の輸送、測量、警備サービス、生体観測、宅配サービスなど様々な分野において社会的に大きな意義をもたらしてくれると期待されています。

その一方で問題になっているのが、「肖像権」「プライバシーの侵害」といったドローン活用における個人情報にまつわるものです。

たとえばあなたが飛ばしたドローンに搭載されたカメラが、偶然とある集合住宅のリビングを捉え、あなたの意思とは無関係に居住者の顔などが写り込んでしまったとします。

あなたはそのことに気づかず、あるいは気づいていても「大丈夫だろう」という認識で何の加工もせず、不特定多数が閲覧可能なインターネット上に公開し、第三者にその居住者の顔を晒すことになったらどうでしょう?

場合によっては訴訟問題に発展するなど、民事・刑事・行政上の何らかのリスクを負う可能性が非常に高くなってしまうのです。

そのため、ドローンを飛行させるには、個人情報保護法についてもしっかりと正しい知識を蓄えておく必要があるのです。

 

総務省の指針はどうか?

総務省は「ドローンを用いて撮影した画像・映像をインターネット上で公開する場合には、被撮影者のプライバシー及び肖像権、並びに個人情報の保護に配慮するようお願いいたします。」とのドローンにおける個人情報保護指針を示しています。

平成27年4月28日発表

小型無人機「ドローン」による撮影映像等のインターネット上での取り扱いに係る注意喚起

平成27年9月11日発表

「ドローン」による撮影映像等のインターネット上での取り扱いに係るガイドライン(案)に対する意見募集の結果の公表

ガイドラインについてはこちらを参照してください。

「ドローン」による撮影映像等のインターネット上での取り扱いに係るガイドライン(pdfファイルが開きます)

2017年10月時点ではまだ法律による明確な規定はなされていないのですが、総務省の指針は次のように解釈できると言われています。

肖像権について

ドローンで空撮中に偶発的に人が映り込み、かつその人の容姿などの判別がつかない程度であれば問題ない

プライバシーの侵害について

撮影態様の配慮をした上で必要に応じて車のナンバープレートや表札、人の顔などに「ぼかし加工」をする

法律で正式に定められていないため、ドローンの個人情報保護についてはグレーゾーンではあるものの、このような指針は発表されていますのでガイドライン等に目を通しておくことをお勧めします。

なお、住宅や街中以外にも、たとえば公衆浴場、更衣場、トイレなど、人が衣服を身につけていない可能性が高い場所にも注意が必要です。

 

肖像権やプライバシー侵害については法律以前に人として配慮したい

ドローンは「機体の目視」が原則とされていますので、機体を見ながらカメラに映り込んでいる映像を同時にチェックするのは極めて難しい行為です。

もし映像チェック専属のオペレーターを用意できたとしても、偶発的に映り込んでしまう人や車など、目的の被写体以外の部分まですべてを確認することは難しいと言えるでしょう。

ですが、個人が特定できる個人情報はいったんインターネット上に流出してしまうと回収することはほぼ不可能と言われていますので、ドローンを利用する場合は法律以前に人としての個人情報に対する配慮が必要です。

たとえばドローンの高度やカメラの向き、撮影するタイミングを考慮することに加えて、人や車、表札に建物名など第三者がそれらを「特定」できてしまうような撮影は、ドローンの個人情報保護の観点から避けるべきでしょう。

あるいは撮影場所およびその周辺に事前に許可を取ることや、ドローンによる空撮中であることが周囲に分かるよう周知を徹底する、といった配慮も必要です。

なお、当然ですが意図的にドローンで他人の家などを空撮する行為は盗撮とみなされ「迷惑防止条例違反」に該当しますのでやってはいけません。

ドローンを安全に、そして楽しく飛ばすためにも「法律で決まっていないから」「飛ばしながらの映像チェックは難しいから」などで終わらせず、肖像権やプライバシーの侵害についてきちんと理解した上で飛ばすことを心がけましょう。

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