災害現場での救援物資や、物流業界に革命をもたらすツールとして、一刻も早い普及が望まれるドローンですが、輸送できる荷物の重量はどれくらいでしょうか?この記事では、ドローンで輸送できる重量の現状や将来の展望、世界各国の状況などを紹介していきます。
ドローンで輸送可能な重量はどれくらい?
現状、ドローンで輸送できる荷物の重量は想像しているよりも小さいと感じるかもしれません。
たとえば、空撮ではなく輸送を主な目的とした一般的なドローンで運べる重量は、3〜6kg程度となっています。
小型・軽量の商品や物資を輸送するのであればこの程度の重量でも十分ですが、物流業界に本格的に活用したり、災害発生時の救援物資の輸送に活用したりするのであれば、到底足りません。
しかし、上記は現在の一般的なドローンの例です。ドローンは日々進化を遂げており、機体の小型化と並行して大型化の開発も進んでおり、こうしている間にも、次々と新たなドローンの企画が進んでいます。
大型で重量のある荷物が輸送可能なドローンの登場も、そう遠くはないでしょう。
ドローンで輸送可能な重量は今後どうなる?リスクマネジメントも重要
日本のドローンメーカー各社は、ある程度重量がある荷物も輸送できる、大型の産業用・輸送用ドローンの開発に力を入れています。
たとえば、名古屋市に本社を構える株式会社プロドローンは、最大ペイロード(※)25kg、30kg、40kgといったドローンを開発しています。
※ペイロード
ドローン業界で用いられるペイロードとは、主に「積載量」を意味します。
さらに、熊本市の株式会社Blue Beeは最大ペイロード37kg、80kg、150kgという大型のドローンの開発に成功しています。
世界的に見ると、若干遅れをとっている感が否めない日本のドローン産業ですが、このように、輸送重量が大きなドローンは次々と開発されています。
物流業界への導入が進めば、今後、輸送可能な重量は大きくなり、大型の荷物も運べるようになっていくでしょう。
自然災害などによって孤立してしまった集落への救援物資輸送などにも活躍することが期待されます。
しかし、同時に重要になってくるのがリスクマネジメントです。輸送できる重量が大きいということは、それだけドローンも大型になります。輸送する荷物の重量と併せて100kgを超える「物体」が空を飛ぶわけです。
墜落した際の被害を想定し、いかに安全で安定した飛行が可能なドローンを開発するか、法規制、安全基準、補償問題はどうするのかといったところも含めて、リスクマネジメントの役割が問われています。
ドローン輸送の重量、世界各国はどう?
日本におけるドローン輸送の現状は、そこまで重量のある荷物は運べないということ、しかし、次々と大型のドローンが開発され、輸送できる荷物の重量も増えているということなどをお伝えしてきました。
最後に、世界ではどうなっているのか、一例を紹介します。(参考資料:国家戦略特区ワーキンググループ「ドローン業界の概要と大型ドローンの開発を巡る規制改革のニーズ」)
韓国
ジェットエンジンを搭載し、最大飛行時間5時間、最大ペイロード90kgというドローンの開発を実現しています。
イギリス
2009年には25kgから最大2tまで輸送可能なドローンの開発に成功しています。
イスラエル
最大高度5.5km、最高時速177km、最大ペイロード約500kgというドローンを開発しています。
アメリカ
航空宇宙機器開発製造会社であるボーイングは、約227kgの荷物を輸送できるドローンを開発し、試験飛行も成功させています。
あくまで一例ですが、このように世界各国でも、大型で輸送重量の大きなドローンの開発が進んでいます。
ドローン業界は日々、ものすごいスピードで成長しています。わずか数年の間に、今からでは想像もつかないほど大型で重量のある荷物が輸送可能なドローンが登場するかもしれません。
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