「イベントの全体の様子を撮影したい」「イベントの一環でドローンを使いたい」と考えているかもしれません。しかし、ドローンを飛ばす前には規制に違反していないか考えるべきです。違反した場合、罰金や罰則が生じることがあると同時に、イベント会場にいる人の安全にも関わる大切なことでもあります。そこで、イベントの会場でドローンを飛ばすための注意点を、事前に把握しておきましょう。
ドローンにはどんな種類がある?イベント会場で使うドローンとはどんなもの?
実は、無人で遠隔操作ができる機体はすべて「ドローン」と呼ばれます。例えばミサイルなどを搭載し、長距離を移動できる軍事用の「固定翼型ドローン」や、水中撮影をする「水中ドローン」もドローンに含まれます。
そして、ドローンのイメージとして一般的なのが「マルチコプター型ドローン」です。小型な手のひらサイズから大型のものまであり、カメラを搭載していると空からの映像を撮ることができます。なお、イベントで使われるのは、小型のマルチコプター型ドローンであることがほとんどです。
イベント会場も含まれる!ドローンの飛行が規制される場所について
ドローン規制として最も大きく関係するのは航空法です。この航空法では、以下の3つの空域と、6つの飛行方法に対してドローン規制があります。
・空港とその周辺の空域
・人口集中地区上空の空域
・150mより高い空域
・日没後の飛行
・本体が目視できない状態での飛行
・イベント上空での飛行
・人や物との距離が30m未満での飛行
・危険物の輸送
・物の投下
航空法の規制となる無人航空機とは200g以上のドローンやラジコンを指します。そのため200g未満のボビードローンは無人航空機に分類されず、上記の航空法の規制は受けません。ただし「模型型航空機」として、空港周辺の空域と150m以上の高さの空域での規制はされるので、注意しましょう。
その他のドローン規制には、国の重要施設の周辺の飛行を規制する「小型無人機等飛行禁止法」があります。他にも、自治体によっては公園でのドローンを禁止している「公園条例」もあります。
イベント会場で200g以上のドローンを用いると、航空法で規制されている「イベント上空での飛行」に当てはまり、許可を受けなければいけません。また、ドローンの重量に関わりなく、開催場所によっては航空法以外の規制で飛行が禁止されることもあり得ます。
ドローンが規制されるイベントとは?規制内容と許可を受けるためのポイント
個人開催の小規模の催し物でも、航空法で規制される「イベント」に当てはまるのでしょうか。国土交通省はドローン規制に関わる「イベント」の定義を、次のようなものにしています。
“集合する人数や規模だけでなく、特定の場所や日時に開催されるもの。自然発生的なものは該当しない”
つまり規模に関係なく、あらかじめ開催日時など計画して人が集まるものであれば、規制対象の「イベント」なのです。
こちらは、ドローンが落下した時の危険性を理由に規制されています。2017年11月に岐阜県大垣市のイベントで起きた6人が負傷した墜落事故を受けて、規制の見直しがされ、いっそう厳しくなっています。
そのため、安全が確保されている状態でなければ、許可が出ることはありません。
安全対策としては、
・ドローンの高度に合わせて、立ち入り禁止の区画を設けている
・ドローンの暴走を防ぐための係留装置を機体につけている
・危険防止のためのネットを設置している
などがあげられます。
他にも、一定時間以上の離着陸を含む飛行実績や、飛行経路を確実に維持できる技術など、様々な条件が求められています。
イベント会場でドローンを安全に飛ばすために
飛行の許可を得るためには、トラブルが発生しても冷静に対処できる操縦技術と飛行経験が必要です。承認のためだけでなく、イベントで安全にドローンを飛ばすために、技術の向上は欠かせません。
実際、ドローンを自由に飛ばせる場所は限られています。そのため、ドローン練習場やドローンスクールなどで操縦技術を本格的に学ぶのも1つの方法です。ドローンの練習を重ね、様々な環境でも正確な操縦ができるようにしましょう。
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