これだけは知っておきたい!ドローン規制法のポイント

ドローンの運用には国が定めた法律に従わなければならず、違反すると罰金をとられたり、最悪逮捕されたりと、大きなペナルティがともなうものです。この記事ではドローンを規制する法律について、これだけは知っておきたいというポイントに絞って分かりやすく説明します。

ドローン規制法が定められるようになったのはなぜか

「無人航空機」とも呼ばれるドローンは、小型化が進んで一般人でも簡単に手に入れることができるようになったことから、様々な用途で幅広く使用されるようになりました。カメラ搭載のドローン飛行を趣味で楽しむ人も年々増えています。

その一方で、飛行マナーを守らない人も出てきました。飛行マナーを守らないとケガなどの安全上の問題や、盗撮などの問題も出てきます。ドローン規制法が定められる前に起こったドローン事件を2つ挙げます。

湘南国際マラソンでのドローン墜落事故

2014年11月3日に神奈川県で開催された湘南国際マラソンのスタート地点で、プロモーション撮影のために飛行していたドローンが墜落し、関係者1人が怪我をする事件が起こりました。

大会開催中の空撮が中止されるとともに、後日には総務省に無許可の周波数で撮影動画の送受信が行われたということが判明しました。電波法違反の疑いで空撮を行っていた会社とその社長が書類送検をされました。

官邸ドローン事件

2015年4月22日に首相官邸の屋上に落下していたドローンが官邸職員によって発見されました。機体上部には茶色いプラスティック容器が取り付けられていましたが、内部からセシウム134とセシウム137由来の放射線が検出されました。

さらに機体には発煙筒が装着されており、遠隔操作で電気着火できるように改造されていました。機体はDJI社の「Phantom 2」あることが判明し、白い機体は黒く塗られていました。

この事件で逮捕された男は、4月9日に福島の砂100gを入れて官邸にドローンを飛ばしたと供述しています。動機は反原発を訴えるためだったとのことです。これを受けてDJI社はGPSを使ったシステムで総理官邸、皇居周辺を飛行禁止区域として追加し、半径1㎞以内では離陸できないようにしました。

同年1月26日には同機種がアメリカのホワイトハウスに侵入したという事件も起こっていました。犯人は酒に酔っ払ったシークレットサービスのエージェントで、事態が確認されるまで建物が完全封鎖されるという大事件になっていました。

 

このように、国内外でのドローンに関する事件が多発し、ドローンを使った攻撃やテロの可能性が懸念されるようになりました。ドローンに対する規制や法整備が急ピッチで進められ、2015年9月4日に改正航空法が成立しました。

2016年3月には小型無人機等飛行禁止法が公布され、国会議事堂、内閣総理大臣官邸、その他の国の重要な施設、外国公館等及び原子力事業所の周辺地域の上空におけるドローンの飛行が禁止されました。

 

重量200g以上のドローンが規制の対象

ドローンの運用にあたっては、規制法の規定に従う必要があります。規制法は正式名称を「改正航空法」と呼び、ドローンの普及に伴って2015年12月に改正された航空法のことをいいます。

規制法の対象となるドローンは、本体とバッテリを合わせた総重量が200g以上と規定されています。

総重量が200g未満のドローンは規制法の対象ではありません。ただし、自治体によっては公園など、そうしたドローンも含めて規制されている場所があります。

規制法の対象となっていない重量だとしても、条例で規制対象となっている可能性があるため、公園などの公共の場所では事前に所轄の自治体の窓口で確認するようにしたほうがよいでしょう。

 

法律による制約のある区域

ドローンの規制法による制約のある区域には次があります。これらの区域でドローンを運用するためには、国土交通省の許可が必要となります。

空港およびその周辺

離発着する航空機の安全にかかわるため、空港およびその周辺でのドローンの使用には規制法の制約があります。空港の周辺は10Km前後の範囲が一般的ですが、羽田空港や成田空港などのような大型空港の周辺では数十Kmを超える範囲が該当します。

人口密集地区

人家や人への落下の危険から人口密集地区ではドローンの使用には規制法による制約があります。人口密集地区とは比較的人口密度の高い地区を指し、東京23区内は全域が該当しています。市街地は日本全国どこでもすべて該当すると考えたほうがよいでしょう。

150m以上の高さ

航空機の最低飛行高度が150mと定められており、これ以上の高度では衝突の危険があるため、150m以上の高度での運用はドローンの規制法による制約があります。

 

運用することが制限される具体的な人口密集地区と空港周辺が、赤色や青色で示されている便利な地図が、国土地理院の電子国土Webサイトで公開されています。キーワードに「地理院 人口密集地区」を指定して検索し、初めにヒットするサイトで地図を閲覧することができます。※2017年12月現在では、平成27年度の地図が最新版で掲載されています。

 

法律の対象となる運用条件

区域以外にもドローンの規制法による制約を受ける条件には、次のようなものがあります。これらの条件下でドローンを運用したい場合は、国土交通省の許可を受ける必要があります。

夜間の運用

夜間に運用するとドローンやその周囲が見えず、危険性が非常に高いため禁止されています。かならず日没になる前に運用を中止するようにしましょう。

肉眼の範囲外

肉眼で見ずに、ドローンから送られてくるモニター映像のみで操縦したり、双眼鏡で見たりして肉眼で見える範囲を超えて運用することは危険であるため制約があります。

人や建物などから30m未満

人や建物、自動車などからは30m以上離れていなければなりません。ただし、当然ですが操縦者や関係者、その自動車などは含まれません。

催し物会場の上空

祭りやスポーツ、コンサートなど催し物で多くの人が集まる場所の上空は避けなければなりません。上空に飛ばしたい場合は国土交通省の許可が必要になります。200g未満のドローンでは許可は必要ありませんが、かならず催し物会場の管理責任者の許可を得るようにしましょう。

危険物の輸送

爆発物や火災の恐れのあるガソリン、石油など危険物のドローンでの輸送は、墜落した場合の危険性が高いため制約があります。これらの輸送にあたっては、事前に許可を得ていなければなりません。

物や液体の投下

飛んでいるドローンから物や液体を投下したり散布したりすることには制約があります。農業でのドローンの利用で種子や除草剤などをまく場合は、農林水産省の規制にも従う必要があります。

 

航空法以外のドローン規制

航空法以外でもドローン飛行が規制されているエリアがあります。これらの条件下でドローンを運用したい場合は、それぞれに相応する機関への申請が必要です。

 国の重要な施設の周辺

「小型無人機等の飛行禁止法」により、国会議事堂、内閣総理大臣官邸、外国公館、原子力事業所周辺の上空でのドローン飛行は禁止されています。対象施設の管理者、土地の所有者、国または地方公共団体の業務を行うためであれば、あらかじめ都道府県公安委員会に通報する必要があります。

 私有地

「土地所有権の範囲」はその土地の上空にも及ぶので、誰かの所有地の上空におけるドローン飛行は許可を得るのがマナーだといえます。神社仏閣や観光地なども私有地ですので、許可を得てからドローン飛行をしましょう。

条例による制限

各都道府県や市町村により独自の規制が定められている場合もあります。東京都では200g以下のドローンでも都立公園での飛行が全面的に禁止されています。千葉県でも県立都市公園でのドローンの使用が禁止されており、イベント等での使用には許可が必要です。

 電波法

ドローン操作には電波を利用しますが、国内におけるドローン使用には「特定無線設備の技術基準適合証明(技適)の取得が義務付けられています。技適マークがついているかどうかを確認してからドローン飛行をしましょう。

海外で購入または並行輸入品、ネットで激安で販売されているドローンには技適マークがついていない可能性があります。また、FPV(一人称視点)ゴーグルの使用にアマチュア無線の免許が必要な場合もあるので注意が必要です。

道路や路肩での離着陸

道路交通法によると、道路において工事もしくは作業をするものは道路使用許可申請書の提出が必要になります。道路や路肩でのドローンの離着陸もそれに該当するので注意しましょう。

 

室内や屋内でのドローン飛行は規制対象外

航空法が適用されるのは屋外だけなので、室内や屋内でのドローン飛行は規制対象外です。四方や上部がネットなどで囲われていれば屋内とみなされるので、許可なしでドローン飛行が可能です。

人口密集地であっても室内や屋内であればドローン飛行ができるので、練習に適しています。ただし、狭い空間での飛行は衝突の可能性が高くなるので注意が必要です。

 

法律の遵守は安全な運用のため

今回は、ドローンの運用で必ず知っておきたい規制法のポイントについて説明しました。

運用には規制が多く、気をつけなければならない点がたくさんあります。規制法に違反すると最大50万円の罰金に処せられてしまいます。

規制法はドローンの安全な運用を目的として制定されています。実際、ドローンを巡る事故は、各地で起こっています。こうしたことが背景にあり、航空法が改正されて規制が定められました。

単に法律だから守るという姿勢ではなく、他人に危害を加えることにならないためにも、法律はしっかりと遵守したいものです。

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