様々な可能性を秘めているドローンですが、将来的には物流産業を担う存在になるとも言われています。実際に多くの企業が現在、ドローンの物流産業への投入に着目し、数々の実証実験を重ねている段階です。
まだまだ課題も多くありますが、将来的には物流産業になくてはならない存在にもなり得ることから、これから注目するべきトピックともいえるでしょう。実際にどういった物流サービスを担う存在になるのか、ドローンを物流サービスへ投入するメリットは具体的にどのようなものなのかをご紹介します。
物流産業になくてはならない存在に?ドローンでの物流サービスをご紹介
ドローンによる物流サービスは、Google、Amazon、楽天といった世界的大手企業を含め、数々の会社が実証実験を行っています。
世界中で宅配サービスの需要が増えていくなか、深刻化する宅配ドライバー不足の問題や、宅配が困難な地域への輸送といった課題を解決する手段として注目されているからです。
実際に、ドローンによる物流サービスとはどのようなものがあるのでしょうか?
例えば、アメリカの大手物流企業UPSでは、以下のような仕組みによるドローン物流サービスの導入が予定されており、実証実験が進められています。
① トラックで配達地域(目的地の1~2キロ付近)まで荷物を運ぶ
② ドローンに荷物を積載し、自律飛行で目的地まで飛び、配達を行う(トラックはドローンの帰還を待たずに出発)
③ 配達が終わったドローンは自動でトラックを追い、帰還する
現状のドローン性能では、トラックで配達地域近くまで行くことが前提となるようです。
また、日本では、大手の楽天が既に自社が持つゴルフ場敷地内で、スマホから注文されたドリンクを指定の場所までドローンが届けるサービスを始めています。
こちらも現状は自社の敷地内に留まっていますが、今後は実証実験や法整備等が進み、広く運用されていくことが期待されています。
ドローン物流サービスの大きなメリットとは?
ドローンによる物流サービスが普及すれば、様々なメリットをもたらします。
まず、物流業界に対しては
・ 配達時間の短縮
・ 人件費の削減
を実現させることができるでしょう。
宅配の需要は年々増加していますが、ドライバーの人員不足は深刻な状態です。ドローンによる宅配が普及すれば、こうした問題を解決できる可能性が大いにあります。
さらに、ドローンであれば、宅配が困難な場所にも届けることが容易になるでしょう。
特に山間部であっても、空を飛べるドローンであれば、容易に辿りつくことができます。こうしたドローンの性質は、地方をはじめ、山国である日本において絶大な効果を発揮すると期待されています。
物流産業での活躍を伸ばすドローン、今後の課題とは?
物流産業での活躍が期待されているドローンですが、まだまだ課題も多く存在します。ここでは、今後、解決策が求められる4つの課題についてご紹介します。
まず1つ目は、長時間運行が難しく(現状は長くても30分程度)、航続距離がまだまだ短いことです。この課題を解決するには、バッテリーの性能向上が求められます。
2つ目は、風速が強いと運行ができなくなることです。現状のドローン運行は風速5メートルを飛行可否の判断基準としていますが、風速5メートルを超える日は頻繁にあります。
また、強風時だけでなく、雨天時にも対応できなければ物流サービスとしては効果的なものとは言えないでしょう。様々な気象条件にも対応できるドローンの開発が必要です。
3つ目は、積載量がまだまだ少ないことです。物流サービスとして効率性を高めるには、やはり1度の輸送で多くの荷物を運べることが重要となります。積載重量の増加も今後のドローン開発では重要なテーマとなるでしょう。
4つ目は、物流時の監視システム構築が必要なことです。人による操作なのか自律飛行なのかによっても変わってきますが、万が一の事故などが発生した際には、きちんと遠方からでも対応できるシステムを整える必要があります。
そのため、今後はドローンの運航、荷物の受け渡しといった物流サービス時のプロセスを常に監視するようなシステム構築が重要となってくることでしょう。
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