水難救助とドローン①――アメリカ、救命具投下で少年救出

更新日: 2017.05.30 公開日: 2017.05.30
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まもなく6月となり全国的に梅雨を迎えるが、それさえ過ぎれば今年も楽しいレジャーの季節がやってくる。海や川などでの夏のレジャーで気をつけたいことの一つに、水難事故がある。しかし今後は水難事故の救世主としてもドローンが活用されるかもしれない。海外では以下のような前例もある。

ライフジャケットマーク

2015年6月、アメリカ・メイン州にある川が増水し、12歳と18歳の少年2人が岩場に取り残されるという事故が起きた。このうち18歳の少年はライフジャケットを身に着けておらず、非常に危険な状況にあった。

救助の突破口となったのがドローンだ。

消防署から派遣されたレスキュー隊員は、空撮用ドローンとして使われていた「DJI Phantom 3」を用いて、この岩場にライフジャケットを届けることに成功した。より正確に言えば先にドローンが岩場に紐を渡し、少年が紐に付けられたジャケットを手繰り寄せたのだ。

18歳の少年は無事にライフジャケットを装着することができ、万が一川に流された場合にも助かる確率は格段に上昇した。その後救助ボートを使っての少年2人のレスキューが行われ、無事に保護されたという。

上記のエピソードからも分かるように、実際に彼らを助けたのは従来の救助ボートと、レスキュー隊員だ。ドローンは救命具を届けるという、アシストの仕事をこなしたにすぎない。先日も相模原市で水難救助用のドローンが公開されたが、これも救命具を投下・スピーカーを通して指示を伝える機能を持っているのみである。

しかし、この機能は現場では無くてはならないアシストなのだ。
というのも、増水した河川ではこれらアシストの仕事すらままならず、手をこまねいて見ているしかない状況が有り得るからである。

利用目的からドローンに
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