ドローンによる農薬散布は、農業の生産性を大きく向上してくれる

更新日: 2018.05.10 公開日: 2017.10.27
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農薬散布は、従来ならば地表で行われてきました。それがドローンの空中からの農薬散布によって、かなり効率的に、なおかつ安価にできるようになってきています。それまでも、飛行機による農薬散布などはありましたが、飛行機を手配するのに莫大なお金がかかっていました。

今回は、ドローンの農薬散布活用の事例について、詳しく見ていきましょう。

 

ドローンによる農薬散布でコスト削減

従来型の、飛行機による農薬散布は、飛行機を農家が所有することは金銭的に困難で、農協などからレンタルしたうえで農薬散布することになるので、毎回のレンタル料も馬鹿になりませんでした。

ですが、ドローンによる農薬散布なら、自分でドローンを所有することになるので、コストが削減できます。仮に、仲の良い近所の農家同士で農薬散布ドローンをシェアすれば、さらにコストを安く抑えられることでしょう。

農業は、コスト削減が難しい分野です。どうしても、おいしい農作物を作るためには、手間暇がかかってコストが高くなるのです。自分が消費者の側に立ってみても、おいしい農作物は高いですよね。それだけ、手間がかかるのです。コストも高くなり、販売価格も高くなる傾向があります。

その点、上記でご紹介したドローンによる農薬散布は、コスト削減の一環として成果が期待できます。ドローン活用によって育てられた農作物が出回ることで、私たち消費者もより安く農作物を購入できるようになるかもしれません。

 

農薬散布は悪? ドローンで農薬散布を行うことの是非

ドローンで農薬散布することは、あまりよくないことなのでしょうか。

農薬は体によくないので、できれば少ないほうが良いと私たちは思いがちです。ですが、実際に農作物を作ってみるとわかるのですが、農薬無しで野菜を作るのは、かなり大変なことなのです。無農薬では虫がつきますし、それらを除去する手間もかかり、大変高価になってしまいます。

それならば、法律で定められた範囲内農薬を使ってもらい、安価な農作物を供給してもらったほうが良いとは思いませんか? このように、ドローンでの農薬散布が悪いものとは一概にはいえないのです。

確かに、ドローンで農薬散布を行うと、散布量が多くなってしまうというリスクはあります。実際に、直接地面を農家さんが歩き回って散布機で農薬をまいたほうが、農薬の量は少ないのかもしれません。

ですが、ドローンによる農薬散布は、非常に効率が良いのです。体力的にも消耗しませんし、高齢者でも操作できます。廃れつつある日本の農業にとって、ドローンによって農薬散布を効率化することは、とても大切です。

 

ドローンによる農薬散布で、生産性向上

いま、日本の農業従事者は高齢化が進んでいます。農業従事者の平均年齢は65歳で、後継者もおらず、体にむち打って働いておられるのが現状です。

そこで、ドローンを使えば、簡単に空から農薬散布が可能です。体力のない高齢者でも、効率よくドローンで農薬の散布ができます。

操作がやや難しいという側面はあるのですが、ドローンの操作は慣れれば簡単です。生産性が大幅に向上しますので、ドローンによる農薬散布は非常に有意義でもあるのです。

ただし、農薬散布には農水省認定のドローンを使った方が良いでしょう。何かと規制がかかって大変ですが、農薬散布をすることは社会的な責任も伴う行為でもありますので、農水省の許可を得たドローンのほうが望ましいと考えられます。

また、価格の問題もあります。農水省認定のドローンは、非常に高価です。100万円以上の初期費用が必要になりますので、農林水産省の認定ドローンを利用しようとすると、少々コストがかかることは知っておきたいところです。

また、ドローンはこれまでなかった新しい技術ですので、規制も厳しく、違反をするわけにはいきません。ドローンで農薬散布する際には、さまざまな関連法規を守っていく必要があるでしょう。法律を守った上で、運営していく必要があります。

以上、ドローンの農薬散布での活用例や注意点などを見てきました。今後も、ドローンの農業での活躍に期待したいところです。

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