大型のハリケーン「ハーヴェイ」がヒューストンを通過して1週間を待たず、現地では被害額の算出が始まっていました。
このハリケーンによって少なくとも46人が死亡、30,000軒以上の家屋や100万台もの車両が浸水・水没の被害に遭い、
概算ながら被害額はアメリカ史上最大となる1,200億ドル(13兆円)と見込まれています。
そしてこの被災を受け、ドローンによる被害調査にかける期待が高まっています。
災害時には公的な救助・調査の妨げとなる恐れから、個人的なドローンの利用は禁止されるのが通常の連邦航空局(FAA)の対応ですが、
今回は被災後、FAAによって少なくとも43人のドローン操縦専門家が認可され、各所で被害状況の調査にあたっています。
たとえば、石油・ガス関連各社では5人の専門家を雇用して施設設備や電力線、燃料タンクの点検を依頼し、ユニオン・パシフィック鉄道では3人の専門家に依頼し、直接赴くことが難しい箇所での線路の浸水状況などを調査しているようです。
また、保険業のAllstate社は自前のドローン部隊を投入して大規模な被害調査に乗り出しており、高性能なカメラを有したドローンならば調査員の生命・身体の安全を確保できる点に着目しています。
山林火災などの被災現場では無許可の操縦者によるドローンの立ち入りが問題視されることも数多くありましたが、
一方で、適切なルールの下でならば救助対象の捜索や調査においてドローンの優位性を活かしていこうという機運も高まっているようです。
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