DJIは13日、ドローンの位置や高度、飛行速度、方向、登録番号やシリアル番号などの識別情報を、警察などが管理分析できる新技術を発表した。すでに今年4月から2つの国際空港に導入・検証されており、今後も継続していく見込み。
今回の新技術「AeroScope」は、ドローンと送信機間の通信リンクを使用するもの。
ドローンの飛行位置・高度・速度・方向・登録番号・シリアル番号などの識別情報を含む基本的な情報を「AeroScopeレシーバー」へと送信する。
AeroScopeレシーバーは、それらの情報を管理・分析でき、情報に基づいた行動を行える。
DJIはベルギーのブリュッセルにてデモを実施。AeroScopeレシーバーがドローンに電源が入ったことを即座に検知し、ドローンの位置が地図上に表示された。
地図上にはドローンの登録番号が表示されるが、これはドローンにおけるナンバープレートのような役割を果たすもの。管理局はこれをもとにドローンの登録所有者を特定する。
AeroScopeは、DJIの全ドローンに対して使用可能。さらに、DJI以外のドローンメーカーが、既存、および今後発売するドローンに、AeroScopeに対して情報を伝送するように設定することもシステム上可能だという。
その他AeroScopeの特徴は以下のようなものだ。
●ドローンの既存の通信リンク上で情報を伝送しているため、追加の費用が発生したり、ドローンに機器を追加する必要がない。
●インターネット上のデータ伝送ではなく、ドローンからの情報を直接AeroScopeレシーバーに配信するという特性上、「大多数の飛行では政府などのデータベースにも自動記録されないため、プライバシーを保護することができる」という。
一方で、ドローン情報を特定したい管理団体と、管理されること無く自由にドローンを飛行させたい操縦者の権利との間に折り合いをつける必要がある。
現状、ドローンの識別に関する各設定は、ユーザー自身が情報提供を選択できるようになっている(各地域における規制の適用後はこの限りではない)。規制・法案の適用される前は、いかなる個人情報も自動的に送受信することはないという。
