石油化学大手が次々に化学工場の設備点検にドローンを用いるという。
旭化成は2019年の定期修理に合わせて導入予定、出光興産はベンチャー企業と組んで実証試験を実施済み。高所での危険な点検など、ドローンの有用性に注目が集まっている。
経済産業省は2005年度よりIoT(モノのインターネット)やビッグデータ(大量データ)の活用に積極的な事業所の認定制度を開始するなど、化学工場のスマート保安を推進中である。
旭化成では水島製造所(岡山県倉敷市)の定期修理時にドローンを活用していく。
高さ100メートル超の自家発電の煙突など高所で、設備外観の診断に使う計画だ。
高所作業に必要な足場作りなくなることで、コストの削減につながるという。
出光興産は自律制御システム研究所(千葉市美浜区)と共同で、千葉工場(千葉県市原市)でドローンのデモ飛行を行った。廃ガス燃焼設備を高さ25メートルで撮影し、検査適用の可否を調査した。今後は実運用に向けた実証試験を検討する。
三菱ケミカルも水島事業所(岡山県倉敷市)で、ドローンのカメラを用いて蒸留塔の外観を確認できるかをテストを行った。テスト結果では実用性の高い鮮明な画像を得られたことから、他事業所でもドローン活用を検討していくという。
全国の石化工場は老朽化が進んでおり、メンテナンス負担の増大が経営陣を悩ませている。政府の規制緩和などの動向を見ながら、各社はプラントの安心・安全操業に向けてドローンをはじめとした先端技術を活用していく。