世界中を飛び回るビジネスマンや、定期的に旅行に出かける家族連れ、その他のあまりある人々にとって、航空管制が安全に管理されていることは旅の大前提となる。
ドローンも実用化に伴い、これをどう運用するかというシステム作り構想がなされ始め、日本でも各社しのぎを削る事態になってきている(参照「ドローンの運行管理システム構築 楽天AirMapとテラドローンの戦略の違い」)。
そして、システムを運用する際に欠かせない視点が「ヒューマンファクター(人的要因)」である。
システムを運用していく上では、大なり小なりさまざまな事故が起こるが、ヒューマンファクターに起因するものも多い。システムそのものが成熟していくにつれ、事故発生の大きな要素としてヒューマンファクターが占めていくようになる。
ドローンの運用でもまったく同様のことが言える。ドローンの操縦ではパイロットは基本的に操作に専念しているが、これに監視者をつけることによって事故のリスクは格段に下がる。
このヒューマンファクターに起因する事故の対策を「クルー・リソース・マネジメント(CRM)」と言う。航空機の機長や手術中の執刀医など一人の意見によって決断を行うのではなく、チームの協力関係を強めてヒューマンファクターによる事故を減らしていく考え方である。