「ドローンは教育にも役立つ」などと言われる。しかし「ドローンと教育」という言葉には、実は二通りの解釈が可能だ。
一つは、ドローンの操縦スキルを授けるドローンスクールでの教育である。最近は自動車学校がそのノウハウを活かしてドローンスクールを開講するなど、にわかに活気づいている。
そしてもう一つは、ドローンを実地的に用いて教育分野を切り拓き、その分野に強い人材を育成することを指す。
実はドローンは、複数のジャンルの技術を融合して誕生したマシーンだ。航空工学、ロボット工学、電気電子工学がそれに当たる。
ドローンの技術開発の担い手としては、それらの知識と技術を兼ね備えた人物が最適だが稀有である。そのような人材を育成するアカデミックの世界が、そもそも異分野の融合に対応しきれていないからだ。
これを解決するために、今学生を対象とした飛行ロボットコンテストが注目されている。数多のミッションを通じて学生たちに興味を引きつけ、彼らの技術力向上を支援するイベントとして、である。ドローン企業最大手のDJIが同様のコンテストを開いたのも、優れた若き技術者の囲い込みを狙う意味が強かったのである。