「ドローンは人間の代わりとなって仕事をする」ということが言われる。
これはまことに正しいのだが、実は「ドローンは人間の身体の延長である」という言い方もできる。ドローンを操縦者の身体の一部と受け取る見方である。
当たり前のことだが、人間は空を飛ぶことはできないし、深海で息を吸うこともできない。
しかしそれはあくまでも「身体の構造上は」という話であって、さまざまな機械とシステムとを生み出したことで、人間は「事実上」空も飛べるし、深海で息を吸うこともできている。
ドローンの活用でもまた同じことが言える。人間は空を飛んで鳥の視点を持つことも、狭い範囲に分け入っていくこともできない、そうあくまでも「身体の構造上は」。ドローンによって、これらのことが「事実上」可能となるのだ。
従来手の届かなかった場所に、道具を使ってアプローチをするという意味では、空飛ぶドローンも背中をかく孫の手もまったく同じであり、その時に限っては「身体の一部」として便利に使われるというわけだ。
孫の手を使うことに抵抗のない人が大半であるように、今後ドローンに対する抵抗感や物珍しさは消滅し、ドローンを前提とした社会へ変化していくだろう。もちろんドローンの安全性を高める努力は常に欠かせないが。