ドローンを稲作管理に活用した実証実験が、岡山県鏡野町の水田で始まっている。空撮で得られたデータで水田全体の稲の生育状況を把握し、作業効率の向上や省力化、収量増を目指す。
この実験は、情報サービス事業の両備システムズ(岡山市)が、ドローンジャパン(東京都)や農業法人「本山精耕園」(鏡野町)などと合同で実施しているもの。
背景には、農家の高齢化や後継者不足などで労働力不足が深刻化していること、農業自体が大規模化していることがある。
実験は、本山精耕園が管理運営する水田約4ヘクタールで行われ、特殊カメラを搭載したドローンが、水田の上空約60メートルを飛行しながら11~12メートル間隔で撮影を行う。空撮によって稲の光合成がどの程度活発に行われているかデータを取得するのだ。
データは、活発な光合成が行われている部分から順に、濃い緑色で、薄緑、黄、赤色で目に見える形で示される。これらから生育状態の悪い箇所を把握して対策を講じたり、刈り入れのタイミングを把握する。
計28ヘクタールで稲作に取り組んでいる本山紘司代表は「提供されるデータはわかりやすく、広範囲の生育状況が把握でき、非常に効率的である。ドローン導入で新しい農業、おもしろい農業に挑んでいきたい」と意気込みを語った。