保険会社の査定で調査員ではなくドローンが送り込まれる時代となってきたようだ。
アメリカ合衆国アラバマ州バーミンガムで嵐による外壁損傷の被害を受けたメリンダ・ロバーツさんの自宅にやってきたドローンは、家屋の上空を旋回し、屋根の写真を撮影した。ロバーツさんが修繕費として小切手を受け取ったのは、そのわずか一週間後だったという。
ドローンと画像解析システムと人工知能(AI)の進化により、保険の査定プロセスが迅速に行えるようになってきた。調査員派遣では支払いまで10日から15日かかるところ、全自動のシステムを用いて処理すれば2日から3日程度で完了するとのことである。
事実、今年の1月には、住宅保険の新興企業レモネード(Lemonade)が、盗難にあったジャケットの査定をし、3秒ですべての作業を完了させたことで注目を集めた。これもやはり、保険の支払いを決定するまでのプロセスを人工知能で処理したという。
保険会社にとっては調査の負担が減ることでコストは安く抑えられる。
さらに、処理が早ければ早いほどに低い支払額でまとまることが多く、その点もメリットである。
しかし業界内では「写真だけの調査では重大な損傷を見落とすのではないか」という声もあり、アメリカ国内ではまだ査定の全自動システムには制限がかけられている。