「Smart mobility」とは直訳すると「賢明な移動」。
要するに、革新的な技術を用いて社会の中で人間の移動を賢く(効率的に且つ安全に)行うことを指す。人も自動車も多い首都圏では特に、いかに人間をスムーズに移動させるかということが重大問題となる。広く言えばセグウェイなどの歩行のサポートも、スマートモビリティの一つである。
スマートモビリティでは、たとえば従来にはなかったコンパクトなクルマを作って道路の混雑を解消しようとか、それらをスマートフォンと連携しようとかいうアイデアがあり、実際に実用化に向けて動き出している。
やや前置きが長くなったが、スマートモビリティの実現化に向けてはドローンの活用も視野にある。「道路が混雑しているなら、代わりに空路を使えばいい」ということである。今も世界のどこかで、人を乗せられるドローンの開発が着々と行われているというわけだ。
道路のスマートモビリティもピンとこない日本の現状では、まさかドローンが移動手段の選択肢になり得るとは思いもよらないだろう。しかし、実際に実現に動いている国とサービスはすでにあって、それが先日お伝えしたドバイの「ドローンタクシー」なのである(参照「ドバイのドローンタクシーはどうなった?――タクシーにマルチコプターを採用」)。
ただし、以前の記事にも書いたとおり、当初は今夏開始とされていた未来感のあるそのタクシーは、まだ日の目を見ていない。実際に人を乗せて飛行しているかのような製品映像は、インパクト抜群だっただけに残念である。が、スマートモビリティの進む世界中で、今後もこの手のプロモーションを多く目にすることになるだろう。