ドローンを積極的に商用利用するためには、単に高性能な機体が存在しているだけではないけない。欠かせないのは、高性能なドローンを運用するために必要なシステムづくりである。
これを受けて現在「空の地図」と呼ばれる、ドローンが安全に飛行するための空路の構想の実現しようとする動きがある。
たとえば、今年3月には東電ホールディングスとゼンリンが業務提携し、送電鉄塔・架空送電線といった電力ネットワークを道標として利用する「ドローンハイウェイ構想」が発表された。
ドローンの商用利用を本格化させるには、安全な空路の確保が絶対条件になるため、今後もこの分野の研究開発が急ピッチで進むと思われる。
もちろん空路づくりとは、単にマップを作っただけで終わりというものではない。
ドローンが安全に飛行するためには、思いついただけでも以下の3つの安全が確保されなければならず、これらの技術課題をクリアすることそのものが空路づくりに含まれるからだ。
①ドローンが障害物との衝突を回避すること
②ドローンが他のドローンとの衝突を回避すること(=複数ドローンの自律飛行を可能にすること)
③長時間の飛行を可能にするためのバッテリーを確保すること
これらの課題は着々と解決されようとしている。たとえば、②の複数での自律編隊飛行については、すでにインテルがエンターテイメントの分野でその技術の高さを見せている(参照記事「群衆飛行の可能性 ディズニーのドローンエンターテイメント」)。
先述の東電ホールディングスとゼンリンの例を見てもわかる通り、ドローンの商用利用に向けて複数企業の業務提携が相次いでいる。企業がそれぞれの得意分野を持ち寄ることで空路構想も意外と早く実現にこぎつけそうだ。