ドローンの大きな市場として注目される農業分野。
しかし、かつて無人ヘリが担っていた役割をドローンが行うことに、果たしてメリットはあるのだろうか。ただ単に機械が変わっただけで、やれることは変わらないのではないか、と疑問に思う方もいるだろう。
今回はこのような疑問にお答えしよう。
先日の記事(「農業分野でのドローン活用①――IT農業とは?」)でも述べたことと重複するが、農業におけるドローンの仕事とは農薬散布に限らない。データを収集するマシーンとして作物のデータを収集し、それらを分析するというビジネスモデルが成り立つ。
管理体制を高めることで、より効率的な収穫を行い、作物の質も向上させていく。これは従来の無人ヘリがやってこなかった仕事である。
次に農薬散布についてだ。
広い地域に一気に散布していく大型の無人ヘリでは、北海道など広大な農地ではいざ知らず、中山間地域の多い日本の場合ドローンのほうが適している。簡単に言えば、ドローンのほうが小回りがきくためである。
最後にコスト面である。
1000万円を超える高額な無人ヘリに対し、ドローンの場合は約10分の1ほどで購入ができるというメリットは大きい。
高齢化の進む日本では農業人口もまた、65歳以上が占める割合が65%だと言われる。稲作農家に限定すると、なんと77%が65歳以上である。このような背景から耕作放棄地が増えているため、ドローンによる農業の効率化が注目されているというわけだ。