人間の立ち入れない場所で目の代わりになるなど、ドローンは人間の仕事の肩代わりをするマシーンである。そして最終的にはドローンに人工知能を搭載し、すべてドローン任せのシステムを構築するのが「第4次産業らしい」在り方だと言える。
もちろん、そのような実験はすでに行われている。
たとえば、「CEATEC JAPAN 2016」に出展したドローンの自律飛行のデモでは、ドローンが目的地に行き着くまでに、赤いライトの線を飛び越えてはならないということを「学習」している様子が見られた。これはトヨタ自動車の開発した、「衝突を避けて自律運転をする自動車」の応用技術である。
同じく2016年、株式会社スカイロボットが遭難者を発見するため、人工知能を搭載したドローンを用いて実証実験を行っている(「TDRS:トリプルドローンレスキューシステム」)。
これは3機のドローンが、遭難者の正確な位置情報を人工知能システムで計測・特定し、救助隊に通知するというものであった。
このように、ドローンと人工知能をかけ合わせた研究や実験は盛んに行われているものの、実現化にはまだ時間を要するようだ。「荷物を載せたドローンが勝手に空を飛び、家を見つけ出して配達が完了する」などという未来の実現は、もう少し先である。
しかし、現状の研究や実証実験が地続き的に、「第4次産業らしい」未来に繋がっていることは疑う余地もない。
前回の記事→「第4次産業革命とドローン①――今まで起きた産業革命」