ドローンの世界はまさに日進月歩といったところで、ついこの間まで不可能だったことが今日は可能になっている――などということも珍しくはない。
ドローンの可能性が拡大した機能の1つとして、視覚センサ(オプティカルフローセンサ)の存在が挙げられる。
「視覚」という言葉から、空撮に関係するものかと思うかもしれないが、その認識では正解とは言えない。
そもそも視覚センサは画像処理技術の一種で、製品の生産現場で検査などに用いられる(ただし、広義ではテレビカメラや赤外線カメラなども含まれる)。
ドローンにおける視覚センサとは、ドローンの飛行を安定させたり、ドローンが対象物の追跡を行う際に役立つものである。要はこの視覚センサを使って、自己位置の推定を行うのである。
通常ドローンの自動飛行にはGPSが欠かせなかった(参照:「ドローンの自動飛行のメカニズムとは」)。しかし、GPSの届かない、工場内や屋内施設でもドローンの需要はある。
そこでドローンに視覚センサを搭載することによって、ようやく屋内施設での活用というビジョンが見えてきたのである。視覚センサを搭載したドローンはGPSの届かない場所でも自動飛行が可能となったのだ。