大手ECサイトのアマゾンドットコムが、配送のためにドローン活用を前向きに検討していることはご存知の方も多いだろう。イギリスで実施テストが行われたことも、先日報じた。
さらにこのたび、米アマゾンドットコムが飛行船と小型無人機(ドローン)を組み合わせた「最速配達」を構想していることが特許申請書類から分かった。
飛行船は倉庫の役割を果たし、飛行船から商品を受け取ったドローンが数分以内に注文者へ届けるということだ。軍事用の「飛行空母」で、飛行船が母艦となるイメージである。
飛行船は全長100メートル近い、数百トンを運べる設計にする可能性も。
飛行船内では地上の倉庫と同様、人間やロボットによる仕分けを行う。
空中の飛行船からドローンが飛び立つことで重力を味方につけ、ドローンのエネルギーを抑えてコスト削減にもつながる。
ただし、航空法による制限のため、実際の運用は都市部など特定地域でのキャンペーンに活用するなどごく限られたものとなりそうだ。
飛行船が我々の歴史から姿を消したのは、その事故の多さのためである。
現代人は飛行船を、映画やアニメなどの映像作品でしか知らないと言ってもいい。
その中で今回のアマゾンドットコムの特許申請は、飛行船を実用的なツールとして歴史の表舞台に引き戻す可能性がある。