国産ドローンの魅力とは?主なメーカーや今後の展望など解説

更新日: 2022.08.29 公開日: 2022.08.28
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ドローンメーカーと言えば、ほとんどのユーザーは「DJI」や「Parrot」など海外企業の名前を思い浮かべるのではないでしょうか。

現に中国の企業であるDJIは、全ドローンメーカーのうち約7割ものシェア率を誇ると言われている最大規模のメーカーです。

海外企業の活躍が目覚ましいドローン業界ですが、日本国内のメーカーにより生み出された「国産ドローン」の魅力にも注目してみてはいかがでしょうか。

今回は、国産ドローンに関して以下のポイントを詳しく解説いたします。

この記事でわかること

・国産ドローンの概要や市場規模
・国産ドローンの魅力
・日本国内の主なドローンメーカーと最新機種
・国産ドローンの今後の展望

目次

国産(日本製)のドローンはある?

趣味からビジネスまであらゆる分野における高い有用性を秘めたドローンは、世界中で盛んに研究開発が進んでいます。

「DJI」を中心に海外企業から生み出されたドローンが数多く出回っていますが、日本国内のメーカーによるドローンも存在するのです。

国産(日本製)ドローンは個人用より事業者向けのドローンが多い

国内では、個人的な趣味として楽しむホビー用よりも農薬散布や物流などへの活用を前提とした事業者向けの「産業用ドローン」開発が以前より進められています。

例えば、

・昔から高品質なバイクを生み出している「ヤマハ発動機」
・歴史は浅いものの赤外線カメラや物体検出機能など最先端の技術を駆使する「PRO DRONE」

など数々の国内企業がドローンの製造・販売に乗り出しているのです。

国内企業のドローン市場参入は海外企業に比べて少し後れを取ってしまったことも事実です

しかしながら、ロボットや精密機器などにおいて優れた産業技術を持つ日本のドローン開発は、これからも進展し続けていくことでしょう。

国産(日本製)ドローンの市場規模

2019年に発表された「日本UAS産業振興協議会(JUIDA)」の独自調査結果によると、2018年に世界で出荷されたドローンの機体数約400万機のうち、国別シェア率でみると日本は3.8%となる15万機を出荷したとのデータが出ています。

日本国内にドローンブームが訪れたときには、既に海外メーカーのシェア率が高い状態でした。

そのため国産ドローンの市場参入が一歩遅れ、シェア率の低さにつながったものと考えられています。

とはいえ、2022年度には航空法改正により「レベル4」の飛行が解禁されるなど、国内に置けるドローンの社会実装への取り組みも着々と進んでいます。

世界的に有名な「ソニー」も2020年度より新たにドローン市場へ参入の動きを見せるなど、航空法改正を見越して国内メーカーの動きが盛んになりつつあるのです。

「DJI」や「Parrot」、「3DRobotics」といった海外メーカーと比較すると、まだまだ及ばないシェア率の国産ドローンですが、これからの成長に期待したいところです。

国産(日本製)のドローンの魅力

モノづくりを得意分野として高い技術力をもつ国産ドローンは、丁寧な造りと性能の高さが特長です。

しかし、性能という面で見ると海外でも優れたドローンが数多く生み出されています。

その点のみを考えると、ドローンは海外製・国産ともに大差がないのでは?と考える方もいるはずです。

ここでは、性能以外で国産ドローンが持つ2つの魅力について解説いたします。

国内企業のためサポートも安心

製品に万が一の不備があった場合、メーカーへ問い合わせて交換などの対応をしてもらわなければなりません。

「DJI」などの大手企業であれば国内でもサポート窓口が設けられていますが、他の海外メーカーでは日本国内用の窓口が設けられておらず問い合わせができない場合があります。

一方、国内のメーカーであれば日本人でも安心して問い合わせができる他、国内メーカー特有の迅速かつ充実したサポート体制も安心材料となるでしょう。

技適マークが標準で適用されている

技適マークと呼ばれている「技術基準適合証明マーク」は、電波法で定められた技術基準に適合している無線機に付与されるマークのことです。

日本国内に販売代理店を設けている海外メーカーの製品であれば、ほとんどの場合技適マークが付いています。

ただ、そうでない海外メーカー製ドローンには技適マークが無い場合も多いのです。

技適マークが無いドローンを日本国内で使用すると電波違法とみなされるため購入の際は十分な注意が必要です。

国産ドローンであれば必ず技適マークが付与されているため、知らず知らずのうちに法律違反を犯してしまうリスクを回避できます。

国産(日本製)ドローンの主なメーカーと最新機種

SONY

東京都港区に本社を構える総合電機メーカー「SONY」は、ほとんどの方が一度はその名を耳にしたこともあるのではないでしょうか。

音楽プレイヤーやカメラ、ゲーム機などが特に有名ですが、2021年11月にはSONY初となるドローン「Airpeak S1」の出荷が開始されました。

長年築き上げてきた高度なテクノロジーの結晶ともいえるドローンの誕生を機に、国内ドローン産業を盛り上げる一因としても注目が集まっています。

最新機種:Airpeak S1

最新機種:Airpeak S1
Photo by sony

SONYグループのAIロボティクスビジネスグループが開発を手掛けた「Airpeak S1」は、最高時速90kmの飛行に加えて最大20m/sの耐風性能を備えているという運動性能の高さが特徴的です。

SONY製イメージセンサーを内蔵したステレオカメラや赤外線測距センサーを採用しており、GNSS(全球測位衛星システム)の電波が届かない屋内でも安定した飛行を実現できます。

京商

国内ラジコンカーのメーカーとして60年近くの歴史をもつ企業「京商」では、トイドローンやレーシングドローンといった小型の機体を製造しています。

中でも、トイドローンとして初のオプティカルフローセンサーを搭載した「Type-1000HD」はドローンユーザーの間で話題になっています。

高性能かつ、ボディに盛り込まれた画期的なアイディアの数々が京商製ドローンの魅力です。

最新機種:DRONE RACER b-pod (ビーポッド)

最新機種:DRONE RACER b-pod (ビーポッド)
Photo by kyosho

京商のレーシングドローン「DRONE RACER」の新シリーズとして発売された「b-pod」は、電動バイク「zecOO」やトヨタ自動車のコンセントカー「Camatte」や「Setsuna」などの開発を手掛けた根津孝太氏がデザインを担当しています。

“未来のレースバギー”をテーマとし、人間工学と自動車工学の観点からデザインアプローチが行われました。

テールリアライトでクールな印象を抱かせつつ、丸みを帯びたフォルムは愛嬌も感じられます。

TEAD

TEADは様々なビジネス分野における用途に合わせてカスタマイズした業務用マルチコプターを製作している、国内ドローンメーカーです。

農薬散布用ドローンをはじめ、映像制作やサーモカメラ付きドローンなど幅広い用途に対応してドローンを提供しています。

さらにドローンパイロット育成事業にも取り組んでおり、一般社団法人農林水産航空協会指定の教習施設である「TEAD教習所」も運営しています。

最新機種:TA408

最新機種:TA408
Photo by tead

自動飛行モードを搭載した「TA408」は、積載した農薬を圃場へ自動的に散布してくれる農薬散布ドローンです。

機体に搭載されたカメラにより、付属の送信機ディスプレイから前方の視界をリアルタイムに確認することができるという安全管理のしやすさも特長です。

高輝度LEDの採用により、早朝の暗い時間帯でも機体を見失わず飛行させることができます。

ヤマハ発動機

バイクや楽器でおなじみの国内メーカー「ヤマハ発動機」ですが、クルーザーや除雪機、農機など様々な事業に対応した機器を開発・製造しています。

ヤマハ発動機は世界で初めて農薬散布ドローンを完成させたメーカーとしても知られており、現在もなお農薬散布に特化したドローンの開発を続けています。

日本国内でドローンを取り入れている農家の大半がヤマハ発動機の製品を使用しており、その信頼性も折り紙つきです。

PRO DRONE

愛知県名古屋市に本社を構える「PRO DRONE」は2015年設立と比較的新しいメーカーですが、国内を代表するドローンメーカーのひとつです。

災害救助用ドローンや運搬用ドローンの開発や実証実験を盛んに行っており、新規性・有用性のあるドローンを生み出しています。

防水機能や自立飛行機能を搭載したモデルや、折りたたみで持ち運びがしやすいモデルなどを取りそろえた「PDシリーズ」が代表的製品です。

最新機種:PD4-XA1

最新機種:PD4-XA1
Photo by prodrone

汎用性の高いズームカメラを機体前面に搭載し、前方視界を広く確保した産業用ドローンです。

片手で持ち運べるサイズ感とバッテリー交換がしやすい設計で、点検や警備など様々なシーンに活躍します。

G FORCE

G FORCEは、ラジコン製品を中心に製品企画や輸入販売を行っている国内企業です。

バリエーションは少ないですが、海外製ドローンの販売と同時にオリジナルドローンの製品開発も行っています。

200g未満の小型ドローンが多く、コンパクトな機体に充実の機能とカメラ性能を備えた製品を豊富に取り扱っています。

最新機種:SKYHIGH

最新機種:SKYHIGH
Photo by gforce

200gにも満たない軽量ボディでありながら、4K画像・2K動画撮影に対応した高性能小型ドローンです。

映像のブレや気圧から機体の姿勢を自動で制御してくれるホバリング機能を搭載しているため、細かな操作に気を取られることなく空撮に集中することができます。

専用アプリをインストールすれば、ドローンが撮影している映像をスマートフォンからリアルタイムに確認することも可能です。

国産(日本製)ドローンの今後

世界のドローン市場において、国産ドローンはまだまだ発展途上の段階です。

日本国内でもドローンの社会実装への動きが本格化してきているため、これからの国産ドローンの進歩は注目するべきと言えます。

特に物流や農業といった様々な産業分野に特化した高性能なドローン開発の動きに関しては、今後も目が離せません。

なお、インプレス総合研究所が発表した「ドローンビジネス調査報告書2021」によると、国内のドローンビジネス市場規模は2025年度には6,468億円にまでのぼると言われています。

市場の拡大に合わせ、ドローン事業に参入する国内企業はより増えていくことでしょう。

参考:ドローンビジネス調査報告書2021 | インプレス総合研究所 

まとめ

中国の「DJI」を中心に数々の海外メーカーがドローン業界を席巻しています。

しかしながら、品質の高さと安心のサポート力を武器とする国産ドローンも負けてはいません。

市場参入のタイミングは後れを取りましたが、国内におけるドローンの社会実装に向けた動きは今後も更に活発化していきます。

それに伴い、国産ドローンの市場規模は更なる成長を遂げていくと期待したいものです。

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