様々な業界で検討されているドローンの利用。医療、ビジネス、趣味分野についての最新ニュースをまとめました。また最近公表された国土交通省による衝突事故防止ルールについても、概要をご紹介します。
ドローンでの血液輸送で、交通渋滞を回避
交通整備が十分でない地域、また交通渋滞の激しい地域では、物流が悩みの種となることも少なくありません。その内容が医療物資であれば、直接的に人命に関わってくることもあります。
そんな中、スイス連邦民間航空局がMatternet社に対し、24時間いつでも配達ドローンの自立飛行を行って良い、と認可を出しました。それを受けスイス郵便は、血液サンプルなどの小荷物をより効果的に輸送できるようになったとのことです。
血液サンプル輸送の効率化が図られたことで「渋滞のせいで血液の輸送が検査に間に合わない」というような問題が解消され、また検査後の診療もよりスムーズに行えるようになったそうです。
国内の交通整備状況にもよりますが、医療分野でのドローン活用は、とても心強いものです。震災の多い国として、日本も災害時の医療利用には特に期待をしたいですね。
ウォルマートもドローン利用を開始?
小売業界でのドローン利用と言えば、Amazonによる英国ケンブリッジでのニュースが有名です。Prime Airを利用し、購入者の家までの配達が行われたというものです。飛行時間、わずか13分のテスト飛行でした。しかし購入者が手元のタブレットで注文するところからスタートし、配送が行なわれていく様子の撮影されたプロモーション映像は、大きな話題になりました。
それに続き、アメリカの小売り大手であるウォルマートもドローンに関する特許を申請したことから、現在注目が集まっています。
今回のウォルマートのケースは、「店の敷地内で、買い物をしている人のもとに、希望した商品を運ぶ」というというもの。屋外での飛行には規制がたくさんある場合が多いですが、こちらは屋内が想定されています。それだけに実現可能性が高く、期待も高まっているようです。
ドローン操縦は無料アプリで遊んで学習!
「ドローンの操縦って難しそう」「ドローン操縦の練習をしたいけど、練習場所を見つけるのが難しい」……そんな悩みを持っている方はいませんか? 「もっと手軽に練習したい!」という人たちには、特に嬉しいニュースの紹介です。
ドローンの飛行には様々な規制があります。そのためこれまでは、操縦の練習をし、技術を身につけることは、あまり簡単にできるものではありませんでした。
そんな環境に置かれたドローン操縦者の教育のため、無料のスマートフォンアプリが開発されました。名前は『DRONE STAR』。株式会社ORSOによるものです。
教育が目的のアプリですが、“ゲーム感覚で楽しみながら学べる”ことに重点が置かれています。他のユーザーとスコアを競ったり、迫力たっぷりにドローン映像を体験できたりと、本格的にドローンの操縦を学びたい人はもちろん、初心者も楽しめるものとなっているそうです。
国土交通省、衝突防止ルールを策定
ドローンは、今後も活用の幅が広がっていくと思われる、期待の存在です。しかし現在はまだ発展途中、飛行ルールなども未整備な部分は少なくありません。
そんな中、国土交通省が新たに、ドローンの衝突を防止するためのルールをとりまとめました。とりまとめのポイントは、「有人機が優先」であると明言された点。たとえば“航空機と無人機とのケースでは、どちらが優先されどちらが避けるべきか”などのルールが定められました。
(航空機と無人機の場合は無人機が避ける、無人機同士の場合は双方が回避対応する、となっています。)
また、ドローンの飛行計画についての専用サイトも開発される予定で、これによって、スマートフォンからでもドローンの飛行計画の共有などができるようになります。
ドローンに関する事故やヘリコプターとの接近については、これまでも報告が出てきていますが、今回とりまとめられたルールとサイトの開発によって、より低いリスクでドローンが活用できるようになっていくようです。
ドローンの活用範囲が広まり、私たちの生活もより便利なものへと進化してきています。新しくルールが作成され、規制が進んでいくことも多い日々。ドローンの有用性を高め、より安全に楽しめるためにも、しっかりとルールを理解し、守っていきたいですね。