国内外で様々なドローンレースが開催されるようになってきました。「ドローン」「レース」と、どちらも心をくすぐる言葉だけに、気になっているという方も多いはずです。入門者に向けて、話題のドローンレースについてご紹介します。
ドローンレースってどんなもの?
ドローンレースとは、ご想像の通り、ドローンを使ったレースのことで、ゴールまでの到達順位や操作技術を競うスポーツです。現在開催されているレースの種類は、「FPV型」と「非FPV型」とに分けられます。
このうち、「FPV型」というは、ドローンの前部にカメラを設置し、そこから送られてくる映像を受信しながら、一人称視点でドローンを操ります。ヘッドマウントディスプレイなどのVRデバイスを身につけて操縦機器を操作するドローンパイロットの映像をご覧になられたことがあることも多いはずですが、それがこの「FPV型」に該当します。
他方、「非FPV型」というのは、ドローンを三人称視点で操縦を行うもののこと。いわゆるラジコン操作と同様、肉眼でドローンの位置を追いながらドローンを操ります。
入門者には小型ドローンがおすすめ
ドローンレースに参加するのに資格は必要ありませんが、他の参加者に迷惑をかけないためにも、またレース自体を楽しむためにも、ある程度はドローン操縦の腕を磨いてから参加したいものです。レースに先立ち、入門者がプロと同じような機種を購入するのはおすすめできません。やはり、小型のドローンからまずは始めましょう。
2015年に改正航空法が施行されましたが、機体の重量が200g未満のものは、規制の対象になりません。規制を気にせず自由に練習ができて、しかも室内で気軽に練習できて、落下しても壊れにくい、総重量200g未満のものをまずは選びましょう。
総重量200g未満のドローンの例としては、「PXY」「QuatroX」などが挙げられます。いずれも超小型で、ネットやラジコンショップのほか、家電量販でも販売されています。価格は、高くても5,000円ほどなので、経済的な面でも、とっつきやすいと言えそうです。
せっかくなら空撮も楽しみたいという方には、「Hubson X4」「Weekender by HITEC Q4i」あたりの機種が良いでしょう。価格は超小型と比べて倍くらいになりますが、操作性もモーターのパワーも格段に良くなります。
入門者におすすめの練習方法とは?
ドローンレース参加を目指す入門者がまず会得すべき基本的な技術が「ホバリング」と呼ばれるものです。これはドローンを特定の位置から動かさずにおくことを言います。圧力センサーを装備した高価な機種であれば、自動でボバリングが可能ですが、入門者におすすめの小型ドローンは、同じ位置にとどまらせておくのが難しいのが特徴です。個体にはそれぞれ癖がありますが、これはトリミング設定によってある程度修正が可能です。
次にこなせるようになりたいのが、ドローンがこちら側を向いている時の操作です。ドローンがあちらを向いている時は、右に動かしたければ右に、前へと動かしたければ前に操作すれば良いですが、ドローンがこちらを向いている時は全て逆の操作をしなくてはなりません。上達する上で効果的なのが、直線の往復運動です。簡単そうですが、うまくUターンさせるのは困難を伴います。それができるようになったら、数字の「8」の字を描くように飛ばすのも良い練習方法です。
着陸スポットを定めて、そこにうまく着陸させるのも、ドローン操作を上達するのに役立ちます。初めは広い場所を設定し、徐々に狭い場所へと移行していくうちに、微細な操作が可能になっているはずです。
アマチュア無線ライセンスを取得するには?
操縦が上達したら、レースへの参加となりますが、特に「FPV型」のレースに参加する際に注意したいことがあります。「FPV型」レースでは、無線電波を利用してカメラ映像を手元のデバイスへと送信します。その電波を使用するには、資格が必要になる場合があるのです。
それが「第4級アマチュア無線技士」です。この取得により、空中線電力10W以下の無線設備で、21MHzから30MHzまで、または8MHz以下の周波数の電波を、空中線電力20W以下の無線設備で、30MHzを超える周波数の電波を使用できるようになります。
免許取得には、毎年開催される国家試験を受験するか、日本アマチュア無線振興協会による講習会を受講し、修了試験を受けなくてはなりません。
この記事では、ドローンレース入門者に向けて、ドローンレースに参加するために辿るべき初歩的なステップについてご紹介してきました。あまり背伸びせず、着実に腕を磨いて、一日も早くドローンレースデビューを叶えてください。