ドローンを使った地方創生と日本企業の未来

更新日: 2017.07.26 公開日: 2017.07.26
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現在、様々な業界での活用が期待されているドローンですが、地方創生分野においても、一部の地域ではすでに取り組みが始まっています。国の動きをとらえながら、地方創生への利活用について考えてみましょう。

目次

[第4次産業革命]はもう始まっている!


今やIoT、ビッグデータ、AIなどが世界の産業構造を大きく変えようとしています。

第一次産業革命では蒸気という新しい動力が生まれ、続く第二次産業革命では電気と石油による大量生産が実現しました。第三次産業革命ではコンピューターが登場し、全てにおいて自動化が促進されました。現在では様々なものがインターネットにつながり、情報化されると同時にAIがそれを制御するといわれる、第四次産業革命がすでに始まっているといわれています。

第三次産業革命以前は人間が機械を制御していましたが、今後は人間に代わってAI=人工知能が機械を制御する時代になり、私たちの仕事や働き方の変化がより加速化していくでしょう。

それに伴い、様々なビジネスが生まれ、新しい雇用機会の創出につながっていくと考えられます。

国家戦略特別区域でのドローンへの取り組み


ドローンを使った産業発展は、国の成長戦略の1つとして期待されています。

2016年4月に、国家戦略特別区域に指定された千葉市と秋田県仙北市でドローンを使った飛行実験が行われました。千葉市は商業施設から公園へのワインボトルの運搬や高層マンションへの薬の運搬などの実験を行い、仙北市では学校間での図書の運搬実験を行いました。

国家戦略特別区域では地域活性化に結び付くような規制緩和を促し、国が先頭に立って企業の誘致や雇用の促進を図る、地方創生特区としての役割も担っています。

今後はさらに、企業と地方自治体が一つになった官民一体の政策が注目されます。

ドローン産業の集積地を目指す千葉市の例


国家戦略特別区域として指定されている千葉市では、2019年のドローン配送の実用化を目指しています。

航空法が規制緩和され、様々なドローンの宅配サービスが実用化されれば従来の産業構造は大きく変わり、私たちの生活にも変化が訪れるでしょう。

千葉市は2020年の東京オリンピック一部開催地として指定されており、ドローンを使った産業の一大集積地にする考えを示しております。医薬品や物資の配送に新しい手段が生まれれば、大きな経済効果が見込め、また、人口減少に歯止めをかけられるなど都市政策の面でも期待が寄せられています。

東京五輪では、ドローンを使った次世代産業のデモンストレーションにお目にかかれるかもしれません。

アベノミクスを担う国家戦略特区とは?


アベノミクスの柱である成長戦略。その戦略の中心に存在するのが、国家戦略特別区域(国家戦略特区)です。

国家戦略特区とは経済社会の構造改革を目的とし、産業の国際競争力を強化する狙いのもとに指定された区域のことを指します。国際的な経済活動の拠点を形成する目的から、国が定めた区域において規制改革等の施策を集中的に推進していきます。

また、この国家戦略特区は従来の特区とは大きく異なります。今までの特区では、指定された各自治体からの要望や提案により国の施策が決定するという形でありました。しかし、この国家戦略特区では、国が先頭に立って施策を実行していくというスタンスをとっています。いわば、アベノミクス戦略そのものを担う特別区域と捉えることができます。

国の成長戦略であるドローン産業の発展に、大きく貢献しているこの特別区域に期待が高まります。

地方創生を生み出す日本企業の今後の課題


ドローンや自動車の自動運転化など近未来テクノロジーは、地方創生という分野でも活用できる大きな可能性を秘めています。

政府は国家戦略特区の二次指定として、地方創生特区、近未来技術実証特区の指定に取り組もうとしています。これらの区域では地場産業の発展、雇用の促進、企業の誘致を目的とされていきます。今後も近未来テクノロジーを用いて地方創生に取り組もうとする地方自治が増えてくるでしょう。

ドローンを使って地域産業を発展させるには、地方自治体と企業との連携が不可欠であり、地域資産である観光や文化に関わる産業に利用していく必要があります。

今後の企業の抱える課題としては、地域産業に特化した市場の開拓、第四次産業へのシフトチェンジを前提とした市場開拓が必要となってくるでしょう。

今やドローンは「空の産業革命」といわれるほどの可能性を秘めています。ドローンを使った地方創生を考え実行していくことは、今後の私たちの働き方に大きな変革をもたらすはずです。近い将来、「ドローン特区」ができるのも時間の問題かも知れませんね。

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