ドローンを使った災害対策・測量分野での国をあげた取り組み

更新日: 2017.07.26 公開日: 2017.07.26
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ドローンの活用領域の中に「災害対策・測量分野」があげられますが、具体的にはどのようなものなのでしょうか。事例も交えて国をあげた取り組みを紹介していきます。

目次

国土地理院におけるランバードチームの発足


災害対策・測量分野において、国をあげてドローンの利活用を強化するため、2016年3月に国土地理院は「ランバードチーム」を発足しました。

これは測量や災害時の空撮を推進するための体制であり、現場においてドローンの利活用が進むように、運用の作業マニュアルや安全基準を作るほか、建設・測量業者がドローンを円滑に活用できるよう普及・促進に努めることを目的としています。

また、災害時には国土地理院の職員が、現場で撮影や測量ができる体制を構築するシステム作りを目指しています。今後のさらなる活躍に期待がかかります。

災害時における様々なドローンの活用事例


行政や住民にとって地震、洪水、津波、土砂災害などの災害が発生した場合、いち早く被災状況を確認し、復興・復旧のための情報を収集することは、とても大切なことです。

現在までの災害時におけるドローンの活用事例をみてみますと、2016年の熊本地震直後には国土地理院がドローンを使って被災状況の映像を公開しました。余震騒ぎが収まった段階では様々なデータ分析を行い、復旧工事に役立てています。

まだ記憶に新しい事例としては、2017年2月のアスクル物流倉庫火災において、さいたま市消防局が、小型のドローンを使って建物の燃焼状況を確認するという、火災での運用は珍しい事例もあります。災害時のドローンの利活用においては、今後もますます増えていくはずです。

捜索・救助等のための航空法の特例


事故や災害の発生時においては、人命の捜索・救助等が極めて緊急性が高いことから、航空法において「捜索・救助等のための特例」が制定されています。

航空法第132条の「無人航空機の飛行禁止区域に関する規定」、132条の2の「飛行の方法に関する規定」は捜索・救助等の迅速化を図るために除外されます。

本特例は「国または地方公共団体」、「国または地方公共団体の依頼により捜索・救助を行う者」に限られていることからも、国が積極的に災害現場でのドローンの活用を推進する必要があります。

改正航空法と利用する上でのルールづくり


災害現場に限らず、ドローンを利用する上では法令の遵守は必要不可欠です。
今日では改正航空法をはじめ、電波法などドローンを取り巻く環境は大きく変わり、法規制の動きが活発化してきております。今後はこれらの法令を遵守し、利活用していくことが求められるでしょう。

改正航空法以外でも小型無人機等飛行禁止法や従来からの航空法といったものがあり、守るべき法令は多岐にわたります。また、犯罪や事故の抑止を考えるうえでも、これらのルールづくりは重要な役割を果たしていくといえます。

日々、法令や条例が変化していく中で、自ら行動を起こし、守りゆく姿勢こそが必要な時代になってくるでしょう。

ドローン活用における利点と今後の課題


ドローンを災害対策・測量分野で活用する場合、最も効果的な利点としてどのようなことがあげられるでしょうか。

従来のように有人航空機では飛行高度が高く、撮影できる画像も限られるため、詳細な画像情報を得ることが難しいといった側面がありましたが、ドローンを使うことにより低空で様々な角度から撮影できるため、高い機動性を発揮する利点があげられます。

国土地理院においては、今後の課題として、災害時の対応における安全性の確保、現地への到達、撮影から画像提供までの時間の短縮を掲げています。

国の専門チームである「ランバード」の今後の活躍に期待したいところです。

今日では、災害対策・測量分野において本格的に国をあげてドローンの活用に取り組んでいます。IoT、ビッグデータ、AI(人工知能)、ロボット技術などの最先端テクノロジーを駆使した政府の活躍に期待が高まります。今後の動向から目が離せませんね。

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