テクノロジーの進歩により、機能性が年々進化し続けているドローンの用途は多岐にわたります。
中でも空撮映像の撮影にドローンを活用するケースは非常に多く、動画サイトではドローンを使った美しい映像作品の数々が投稿されています。
そこで今回は、国内・海外の動画から思わず息を呑むほど美しいドローン映像作品を7つご紹介いたします。
ドローン映像コンテストの最新情報やおすすめのドローン映像素材サイト、編集ソフトなども記載していますので、自分で撮影に挑戦してみたい方もぜひご覧ください。
- おすすめのドローン映像
- 自分で映像を撮りたいと思った時に知っておきたいこと
- ドローン映像を撮る際に注意しておきたいこと
すごい!きれい!選りすぐりのドローン映像(YouTube)作品6選
インターネット上には、多くのドローンユーザーが、自身が撮影した画像を公開しています。
そこで、ここではYouTubeに投稿されている数多くのドローン映像作品の中から、特に美しさ・迫力に優れた映像を7つピックアップしました。
おすすめ映像1:ドローン片手に世界一周 空飛ぶ絶景400日
日本人のカップルが、400日間に及ぶ世界一周新婚旅行で出会った景色をドローンで記録した映像作品です。
トルコのカッパドキアやボリビアのウユニ塩湖、香港の夜景など合計48ヶ国の絶景が動画として収められています。
絶景だけでなく、動画の移り変わりにおけるテンポや映像そのものがハイクオリティなことにも注目です。
3分46秒という短い時間の中に、ドローン空撮の魅力が一気に凝縮された作品と言っても過言ではありません。
おすすめ映像2:ドローンから見る世界遺産「仁和寺」
京都の映像制作会社である萬丹屋がドローンで撮影した、世界遺産「仁和寺」の映像です。
鮮やかな緑をした木々の中に佇む仁和寺の厳かな雰囲気を、曇天から差し込む仄かな光としっとりとした和風のBGMが際立たせています。
本堂を中心に様々なアングルから敷地内をカメラで収めており、人のいない仁和寺の静かな空間をゆったりと見て回っているような気分を楽しむことができます。
おすすめ映像3:日本の夜空を彩る花火をドローンから
2017年8月に埼玉県鴻巣市で開催された、「こうのす花火大会」の花火をドローンで撮影した映像です。
鮮やかに打ちあがる花火を至近距離から撮影しており、光の粒が飛び交う夜空を飛んでいるような気分に浸ることができます。
花火大会のドローン撮影は様々な許可が必要なため決してハードルは低くありませんが、この圧巻の光景に誰しもがドローン空撮ならではの魅力を再認識することでしょう。
おすすめ映像4:音と光のエンターテインメント・ショー
各地でドローンを活用した音と光のドローンエンターテインメントショーを提供している会社、SKYMAGIC。
そのSKYMAGICが、横浜スタジアムにて毎年開催している一大イベント「YOKOHAMA STAR☆NIGHT 2019」でドローンショーを行ったときの映像です。
“宇宙への航海”をテーマとしており、100機ものドローンが光・音・花火の演出に合わせて立体的なフォーメーションを作りながら銀河を表現して会場全体を魅了しました。
おすすめ映像5:SNS上で拡散!世界各地で話題になったマイクロドローンで撮影されたMV
10代の女性が持つありのままの美しさを表現する映像として、桜が咲き誇る学校を舞台にマイクロドローンで撮影された作品です。
わずか70g程度のマイクロドローンを使っていながら、高精度な映像と滑らかなカメラワークでクオリティの高い映像に仕上がっていると世界各地で話題になりました。
おすすめ映像6:ドローンレースをドローン視点で体験
ドローンレースといえば、FPVドローンをイメージする方は多いはずです。
しかしFPVドローンを操縦するには高度なテクニックが求められるうえに、特殊な免許や許可を得る必要があるためハードルが高く感じることでしょう。
この動画では、FPVドローン視点で撮影したハイスピード飛行を体験することができます。
自身が機体となって広大なコースを飛び回っているかのような感覚に、FPVドローンへの挑戦意欲が掻き立てられることでしょう。
【おまけ】ドローンコンテストで日々魅力ある映像が配信!今後の開催予定をチェック
YouTubeのみならず、各企業や機関が開催している「ドローンコンテスト」でも毎年数多くの優秀な作品が発表されています。
2022年6月現在、どのようなコンテストが行われるのかを調査のうえまとめてみました。
・Drone Movie Contest 2022
デジタルハリウッド株式会社が開校した「Digital Hollywood Robotics Academy」における、7回目のドローン映像コンテストです。
ジャンルを問わず、3分以内で映像の50%以上をドローンで撮影することを条件として作品を募っています。
審査員はドローンに関する有識者だけでなく、映像分野の専門家やドローンの情報を発信するメディア関係者など、ドローン業界の第一線で活躍する人物です。
作品投稿期間は2022年4月~5月31日で、YouTubeなどの動画投稿サービスに限定公開投稿したうえで公式サイトの応募フォームにURL添付のうえ応募します。
2022年6月上旬から審査が開始され、6月中旬に上位作品が公式サイトで発表されるというプロセスです。
・【鳥取ドローン研究所開設記念】DRONE MOVIE CONTEST
鳥取県のドローンスクール事業を運営する「株式会社skyer」による、ドローン映像コンテストです。
skyer運営のドローンスクール卒業生だけでなく、プロ・アマ問わず誰でも参加可能となっています。
映像テーマは”私の好きな鳥取の風景”で、「4K・60PSで撮影した映像であること」と「1作品につき3分以内の映像であること」が条件です。
撮影した映像はskyer宛てのメールで応募する形式となっており、条件を満たしていれば1人につき何本でも応募することができます。
作品募集期間は2022年6月6日~7月31日です。
最優秀賞受賞者には、DJI製の人気ドローン「DJI MINI PRO3」が贈呈されます。
・仙北インターナショナルドローンフィルムフェスティバル
仙北市と地元企業で構成される「仙北インターナショナルドローンフィルムフェスティバル実行委員会」が主催する、ドローン映像コンテストです。
仙北インターナショナルドローンフィルムフェスティバルでは2018年に第1回目を開催して以来、日本国内のみならず世界各国から多くの作品が寄せられています。
自然や動植物を被写体とする「ネイチャー」、編集テクニックや音楽なども活かして独創性に富んだ映像を応募する「クリエイティブ」、観光地の魅力をアピールする「観光プロモーション」という3つの部門に分かれて作品募集が行われます。
撮影条件は「5分以内の動画であること」、「作品時間の50%以上をドローンによる空撮で撮影していること」などです。
募集期間は2022年8月31日までとなっており、9月上旬から審査が開始されます。
結果発表・表彰は2022年10月に行われ、グランプリ受賞者には賞金30万円が贈呈されます。
自分でも映像を撮りたい!ドローン映像を作るために知っておきたいこと
自分でドローンを操縦しながら撮影に臨む場合は、ドローンの基礎的な知識や技術はもちろん、より撮影を楽しむために以下のポイントを押さえておくと良いでしょう。
ドローン視点で空撮を楽しむならFPVがおすすめ
FPV(一人称視点)に対応したドローンを使うことで、ドローン視点での景色をリアルタイム見ることが可能です。
機体を操縦しながら、まるで自分自身がドローンになって空を飛んでいるような気分を楽しむことができます。
ただし詳細は後述しますが、FPV対応ドローンは5.8Ghz帯の周波数を使用している場合が多いです。
この周波数は法律にて無免許かつ無断での使用が禁止されているため、注意しましょう。
スマホでも空撮映像は簡単に撮れる
空撮を行うにあたって、ほとんどの場合はプロポと呼ばれるコントローラーを使ってドローンを操縦します。
しかし近年はスマホからの操作に対応したドローンも多く出回っており、専用アプリをインストールすればプロポの代わりにスマホで操縦することができます。
使い慣れたスマホの画面で手軽にドローンを動かすことができるため、プロポの操作に不安が残る方も安心です。
編集ソフトでより魅力的な映像に
撮影した映像そのもののクオリティはもちろん重要ですが、編集ソフトで音やエフェクトなどを付け加えることでより見る人の心を揺さぶる作品に仕上げることができます。
一口に編集ソフトと言っても様々なものがありますが、空撮映像の編集においておすすめなソフトは以下の通りです。
【無料】HitFilm Express
HitFilm Expressは完全無料でありながら、プロが使用する編集ソフトと同等のスペックを備えており人気の高い編集ソフトです。
400種類以上ものエフェクトが用意されており、初心者でもオリジナリティあふれる映像作品に仕上がることが大きなメリットと言えます。
ただしスペックが高いぶん大容量のシステムメモリが必要なこと、海外製ソフトのため日本語に対応していないことには注意が必要です。
OSはMacとWindows10または8に対応しており、公式サイトからインストールすることができます。
【無料】Lightworks
Lightworksは、カット・結合・削除・音楽追加・エフェクト追加などプロと同等の編集が可能なアメリカ発の動画編集ソフトです。
以前は有料でしたが、現在は会員登録をすれば無料で利用することができます。
プロ仕様なので初心者の場合は慣れるまで操作につまずく可能性がありますが、慣れてしまえばプロ顔負けのハイクオリティな作品を生み出すことも夢ではない機能性を備えています。
対応OSはWindows10/8/7/Vista・Mac・Linuxの3種類です。
公式サイトからインストール可能ですが、サイトは日本語に対応していないためインストール方法をよく確認しておきましょう。
【有料】DaVinci Resolve
DaVinci ResolveはオーストラリアのBlackmagic Design社が開発した動画編集ソフトで、無料版と有料版の2種類がリリースされています。
友人間でのシェアや個人的な趣味としてSNSなどに投稿する映像であれば無料版でも十分ですが、本格的な映像作品を制作したい場合は有料版がおすすめです。
有料版は以下のように多彩な機能を備えており、プロにも多く愛用されています。
・読み込み・トリム・トランジション追加などの作業を効率的に行えるカット機能
・より細やかな編集を行えるエディット機能
・エフェクトや3DCGを合成できるFusion機能
対応OSはWindows・Mac・CentOSの3種類です。
【有料】Filmora
Wondershare社が開発・販売しているFilmoraは、初心者~中級者向けの動画編集ソフトです。
直感的な操作で初心者でも簡単にデザイン性の高い映像作品を作ることができます。
また、買い切り価格で8,000円未満というコストパフォーマンスの高さは大きな魅力です。
こちらも無料版と有料版の2種類が用意されているので、まずは無料版から操作を試してみても良いでしょう。
対応OSはWindows・Macの2種類です。
ドローンで映像を撮る際に注意しておきたいこと
ドローンによる空撮はやり方を誤ると、「知らなかった」では済まされない深刻なトラブルに発展する恐れがあります。
安心・安全な空撮を楽しむため、以下のポイントには十分な注意が必要です。
法規制に抵触しないように配慮する
日本国内の屋外でドローンを飛ばす際、「航空法」や「小型無人機等飛行禁止法」により定められたルールの遵守が義務付けられています。
飛行場所・方法によっては各関連機関へ飛行許可申請を行う必要があるため、ドローンを飛ばす前に必ずルールを確認しておきましょう。
他にも公道でドローンの離着陸を行う場合は「道路交通法」、誰かの私有地でドローンを飛ばす場合は「民法」などにも抵触する恐れがあります。
なお、ドローンの飛行に関わる法律は以下の記事で詳しくご紹介しています。
ドローン空撮をしたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
長距離の映像を伝送する場合は無線局免許が必要
一般的なドローンに使われている周波数は2.4GHz帯。
一方、産業目的での空撮映像伝送には長距離かつ高伝送な周波数が必要になるため、「5.7Ghz」帯の周波数が使われています。
5.7Ghz帯の周波数は電波法にて無免許・無断での使用が禁止されているため、まずは「第三級陸上特殊無線技士」以上の資格取得が必要です。
なお、ドローンレースなどに使われるFPV対応ドローンの多くは「5.8Ghz」帯の周波数が使われています。
これも5.7Ghz帯と同じく無免許では使用できないため、必ず「第四級アマチュア無線技士」以上の資格を取得しましょう。
ドローン映像は楽しむだけではない!ドローン映像配信システム(リアルタイム転送)の活用事例
ドローンで撮影した映像の使われ方は、単純にそのまま編集して作品に仕上げるだけではありません。
産業目的でドローンによる撮影を行う場合は、長距離の映像伝送機能を搭載した機体やシステムを用いて撮影中の映像をリアルタイムで確認しながら様々な業務に活かしています。
遠隔からの目視点検
従来の点検業務は人の力で直接行われていたため、高所や危険な場所の点検に高いリスクがつきものでした。
近年は高精度なカメラや赤外線センサーを搭載したドローンが増えており、それに伴って点検作業にドローンが活用される事例も増加しています。
現時点では、ドローンによる点検はインフラや屋根・煙突などの高所、ガス・オイル施設や建設現場といった危険な場所で使われています。
現場の映像をリアルタイム共有して遠隔監視
施設の警備や農作物の盗難対策として、遠隔監視にドローンが使われるケースもあります。
特に近年の警備業界は少子高齢化などに伴う人手不足が問題視されており、少ない労力で業務を行う新しい警備・監視体制が求められています。
実例としては、セコム株式会社の提供する遠隔監視サービス「セコムドローン」が有名です。
次世代移動通信システム5Gを活用し、高精細な4K映像のスムーズな伝送を実現しました。
災害時の現場状況確認
現在はまだ実例が少ないですが、災害現場における現場調査の手段としてドローンを採用する自治体もあります。
ヘリコプターよりも迅速な被害確認・情報収集が行えることに加え、入り組んだ場所や建物が倒壊している危険な場所を物ともしない小回りの良さが注目を集めているのです。
通常のカメラだけでなく光学カメラや赤外線カメラなども活用し、災害現場で逃げ遅れた人を的確に見つけ出すことも期待されています。
スポーツ中継
スポーツの分野でもドローンの機能性に注目が集まっています。
すでにサッカー・ラグビー・スノーボード・スノーモービルなどの種目ではドローンによるスポーツ中継が実施されています。
通常のビデオカメラでは選手全員の動きを追いきれない場合があるだけでなく、撮影可能なアングルが限られているため試合の全貌を移すことが難しいという問題がありました。
空中から自由自在に撮影できるドローンは上記のデメリットをカバーできるため、より臨場感のある中継映像を楽しむことができます。
大型建築物の点検
ビルやマンションといった大型建築物の外壁点検を行う際は足場やゴンドラを組む必要があり、大きなコストと手間がかかっていました。
ドローンであれば基本的にどんな高さであっても安定した状態で点検を行うことができるため、従来よりも手間とコストの大幅なカットが可能です。
野生動物調査
従来は野生動物の生態調査をするにあたって必要な生活痕跡や個体数などのデータを、人間による目視で確認していました。
しかし目視だけでは得られるデータに限りがあることに加え、夜間の調査は危険が伴います。
そんな野生動物調査の分野でもドローンの機能性が注目を集めるようになり、近年は高性能カメラ・センサー搭載ドローンによる調査サービスを提供する企業も現れているのです。
まとめ
空を自由自在に飛ぶドローンを映像撮影に使うことで、風景や被写体に圧倒的な臨場感を与えることができます。
ドローンによる空撮映像を配信している素材サイトは複数ありますが、自分で撮影・編集をすればよりオリジナリティのある作品を生み出すことができます。
ただし屋外でドローン空撮を行う場合、航空法や小型無人機等飛行禁止法など様々な法規制に抵触しないよう十分な注意が必要です。