【2024年最新】ドローン導入時に利用できる助成金・補助金を一覧でご紹介

更新日: 2024.06.17 公開日: 2024.05.28
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農業・測量・点検など幅広い産業分野での普及が広まっているドローン。

業務にドローンを活用したいと考える一方で、多額の初期費用による負担が心配な事業主の方も多いことでしょう。

産業用ドローンの場合、導入に伴う費用を様々な助成金・補助金でカバーできることがあります。

そこで今回はドローンの導入に利用できる助成金・補助金を、利用条件や申請方法などの詳細情報と併せてご紹介いたします。

目次

ドローン導入時に利用できる補助金・助成金一覧

産業用ドローンの価格は数十万円~数百万円程度が相場となっており、購入費用に加えて導入後のメンテナンス費用といったランニングコストもかかります。

少しでも費用負担を抑えながら産業用ドローンを導入するには、補助金・助成金制度を上手に利用することが大切です。

以下より、2024年4月時点でドローンの導入に利用できる補助金・助成金制度の詳細をご紹介いたします。

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、持続的な経営に向けた計画を立てて販路拡大や生産性向上に取り組む小規模事業者などを支援する補助金制度です。

自社製品・サービスの販路拡大、業務の生産性・効率向上を目的にドローンの導入を検討しているなら、利用をおすすめします。

参考:小規模事業者持続化補助金 

対象者

以下の条件に該当する小規模事業者

  • 商業・サービス業(宿泊・娯楽業除く):常時使用する従業員の数が5人以下
  • サービス業のうち宿泊業・娯楽業:常時使用する従業員の数が20人以下
  • 製造業その他:常時使用する従業員の数が20人以下

その他、法人の場合は「資本金または出資金が5億円以上の法人に直接または間接に100%の株式を保有されていないこと」などの条件もあります。

補助金額

50万円~200万

※適格請求書発行事業者へ転換する場合は上限に50万円上乗せ

申請方法・期限

公募期間中に商工会議所・商工会が発行する事業支援計画書(様式4)を作成・提出

※第15回受付(2024年3月7日締切)終了

事業再構築補助金

事業再構築補助金は、新型コロナウイルスによる経済社会の変化に対応するため、新しい分野の展開・事業転換・事業再編といった取り組みを支援するための制度です。

新しい事業を展開するためにドローンを導入する事業者は、チェックしておきましょう。

参考:事業再構築補助金 

対象者

以下の要件に該当する事業者

  • 事業再構築の定義に該当する事業者
    ※事業再構築:従来事業とは多少分野の違う商品・サービスの展開を開始し、3~5年度にその事業の売上が会社全体の売り上げの10%以上を占めること
  • コロナ拡大後(2020年4月以降)の売上が10%以上減少している
  • 事業計画を認定経営革新等支援機関と策定する

補助金額

100万円~1億円

※上限は企業規模によって異なります

申請方法・期限

事業計画書など必要書類を用意のうえ、ミラサポplus「電子申請サポート」で電子申請

※第12回公募期間:2024年4月23日~2024年7月26日

働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)

1人以上の従業員を雇用している事業者が、業務環境の改善などに取り組む際に利用できる制度が働き方改革推進支援助成金です。

ドローンによる業務効率の向上などで労働環境を改善したいと考える事業者なら、利用できる可能性があります。

働き方改革推進支援助成金には5つのコースがありますが、上記の目的でドローンを導入するなら「労働時間短縮・年休促進支援コース」で申請しましょう。

参考:働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース) |厚生労働省 

対象者

要件を満たす中小事業者

  • 労災保険の適用事業主
  • 厚生労働省が定める「成果目標」の設定に向けた条件を満たしている
  • 交付申請時点で年5日の年次有給休暇の取得に向けて就業規則を整備している  など

補助金額

25万円~200万円

※設定した成果目標や達成状況により異なります

申請方法・期限

目的に合った様式の交付申請書や事業実施計画などの書類を用意のうえ、労働局雇用環境・均等部(室)に提出

※2024年度交付申請期間:2024年4月1日~2024年11月29日

ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)

ものづくり補助金は、新しい商品・サービスや生産プロセスの開発、生産性向上を測るための設備投資に利用できる制度です。

新しいサービスを生み出したり自社の生産性を向上させたりといった効果を目的にドローンを導入する場合も、利用することができます。

参考:ものづくり補助金 

対象者

一定の資本金・常勤従業員数を下回る中小企業小規模事業者等

補助金額

750万円~2,500万円

※従業員規模などによって上限が異なります

申請方法・期限

補助金に関する誓約書の他、必要に応じて大幅な賃上げ計画書や金融機関確認書などを作成のうえGビズIDプライムで電子申請

※2025年3月27日に18次公募終了・次回公募の開始は未定

IT導入補助金

IT導入補助金は、自社が抱える課題の解決やニーズに応えるためにITツールを導入する中小事業者が対象の補助金制度です。

ドローン本体ではなく、ドローンと併用する映像解析ソフトや測量アプリなどの導入資金をカバーできます。

なお、「IT導入支援事業者」として認可を受けた事業者が提供するサービスを利用する場合しか利用できない点に注意が必要です。

参考:IT導入補助金 

対象者

一定の資本金・常勤従業員数を下回る中小企業小規模事業者等

補助金額

5万円~450万円

※ITツールを導入する業務プロセス数によって上限は異なります

申請方法・期限

gBizIDプライムの「申請マイページ」の案内に従い電子申請

※3次締切分:2024年2月16日~2024年5月20日

※4時締切分:未定~2024年6月19日 

強い農業づくり総合支援交付金(農業支援サービス事業支援タイプ)

強い農業づくり総合支援交付金は、地域農業者の減少や労働力不足といった課題に対応するための支援サービス事業の育成を目的とした制度です。

ドローンを使った農薬・肥料散布の代行サービスなど、ドローンと農業を掛け合わせたサービスを提供する事業者に役立ちます。

参考:強い農業づくりの支援:農林水産省 

対象者

生産事業モデルや農業支援サービス事業に参入する、都道府県・市町村・民間事業者・農業者の組織する団体など

補助金額

個人は上限1,000万円、法人は1,500万円

申請方法・期限

コンソーシアム等の規約等・実施体制図・財務資料・根拠データ・事業計画書などの書類を、電子メールに添付して申請

※2024年度の公募は終了

人材開発支援助成金(人材育成支援コース)

人材開発支援助成金は、従業員のスキルアップを目的に職業訓練を実施する事業者を支援する制度です。

ドローンそのものではなく、ドローンの操縦資格取得・技術向上のためにスクールを受ける際の費用をカバーできます。

人材開発支援助成金にも複数のコースがありますが、スクールを受講するなら人材育成支援コースに申請しましょう。

参考:人材開発支援助成金|厚生労働省 

対象者

雇用保険の被保険者(15歳以上45歳未満)

補助金額

1人1職業訓練実施計画届あたりの限度額10万円~50万円

※企業規模や訓練の合計時間により異なります

申請方法・期限

訓練開始日から30日前までに職業訓練実施計画届などを作成のうえ提出

地域・企業共⽣型ビジネス導⼊・創業促進事業

地域・企業共⽣型ビジネス導⼊・創業促進事業は、複数の地域に共通する課題を、複数地域の企業と各種機関が一体となって解決しようとする事業の経費を支援する制度です。

ドローンの場合、山間部・離島といった過疎地に住む「買い物弱者」に向けたドローン宅配サービスやドローンを活用した災害対応事業といったことに利用できます。

参考:地域・企業共生型ビジネス導入・創業促進事業補助金 

対象者

中小企業・大企業・一般社団法人・一般財団法人・特定非営利活動法人・地域金融機関のうち、応募要領の要件を満たした者

補助金額

下限100万円~上限4,000万円

※事業の実証地域数や対象者により異なります

申請方法・期限

Jグランツ(電子申請システム)による電子申請

※2024年度公募期間は未定

スマート保安導⼊⽀援事業

スマート保安導⼊⽀援事業とは、保安確保が必要な電力・ガス・コンビナートなど、産業インフラの保安事業のスマート化を図る事業者が利用できる支援制度です。

プラント内の目視点検からドローン点検に移行するための実証を行ったり、送配電線点検作業へのドローン活用実証を行ったりといった場合に役立ちます。

参考:スマート保安導入支援事業費補助金(技術実証支援)~JMAC 

対象者

要件をすべて満たす事業者・団体等

  • 日本国内に登記し活動実績のある中小企業・中堅企業・地方公共団体
  • 補助事業を遂行できる財務状況であるか、具体的な資金調達計画がある  など

補助金額

上限5,000万円

申請方法・期限

JMACホームページから申請様式をダウンロードのうえ、必要書類を作成のうえメールにて申請

※2024年度公募期間は未定

各自治体の助成金や補助金もある

先述した各補助金・助成金制度は国が実施しているものですが、場合によっては地方自治体が独自に行っている制度を利用できることもあります。

ここでは、地方自治体が行っている補助金・助成金制度の中でもドローンを活用する場合に利用できる制度の例をご紹介いたします。

各自治体の助成金・補助金例

■創業助成事業(東京都)

創業予定者または創業から5年未満の中小企業者等を対象に、事業費・人件費・委託費といった経費を支援する制度です。

ドローンの場合は事業費に含まれる「器具備品購入費」や人件費などに利用できる可能性があります。

※2024年度第1回申請受付終了

参考:令和6年度第1回 創業助成事業募集のお知らせ 

■千葉市無人航空機操縦者技能証明取得支援事業(千葉県)

ドローンを活用した業務効率化や新しいコンテンツの創出などを目指す市内の企業を対象として、ドローンの技能証明取得を支援する補助金制度です。

「千葉市内に本社・事業所を置いている」などの要件を満たしていれば、国家資格の一等無人航空機操縦士または二等無人航空機操縦士の取得に必要な費用を26万円まで補助してもらえます。

※2024年度の公募期間は未定

参考:令和5年度 千葉市無人航空機操縦者技能証明取得支援事業 

補助金や助成金を利用する際の注意点

各種補助金・助成金制度はドローンを活用する様々な事業者にとってメリットの大きい制度ですが、利用の際は以下の点に注意が必要です。

支給までには時間がかかる

補助金や助成金は、応募したらすぐに支給されるわけではありません。

応募から一定期間を経て審査が行われ、審査後に金額が確定してからようやく支給されます。

目安としては数ヵ月~半年程度、長い場合は応募から1年程度経って支給されることも珍しくありません。

そのため、資金にある程度の余裕がないままドローンを導入すると、補助金や助成金が支給されるまでの期間中に資金が不足するおそれがあります。

申請の時点で資金に余裕がない場合は、融資を受けることも検討しましょう。

計画書や報告書・支払証憑書類などの提出は徹底する

どんな補助金・助成金にも、申請の際は事業計画書や報告書、支払証憑類など様々な書類が必要になります。

事業期間中の事務処理や会計処理の不備があると、対象要件を満たしていないとみなされ補助金・助成金が支給されなくなる可能性があるため十分な注意が必要です。

ドローンや機材の購入は交付決定通知発行後に

補助金や助成金は対象の事業について実施期間を定め、その期間中に生じた諸経費を補助するという仕組みです。

事業期間外にドローンの購入費やドローン関連の費用を出すと、補助金や助成金が支給されなくなってしまいます。

一般的に事業期間は交付決定通知が発行されたあとになるため、ドローンの購入や関連機材・サービスにお金を出すタイミングにも注意しましょう。

まとめ

いかにして事業へドローンを導入するかは事業者によって異なりますが、国では様々なケースに役立つ補助金・助成金制度を多数実施しています。

本記事執筆の2024年4月時点でも公募中の制度が複数あるため、気になる制度があった場合はぜひ申請を検討してみてください。

なお、申請の際は必要書類に不備がないか徹底的に確認のうえ、支給対象の期間や支給されるタイミングに留意して利用しましょう。

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