先日に引き続き、アンチドローン技術における不審ドローンの無力化についてお話したい。
ドローン業界が目を見張るような隆盛を見せるフランスも、不審ドローンの対応には頭を悩ませているようだ。2015年にパリで起きたテロも記憶に新しいことだろう。
そこで、ドローンを使ったテロなどに対応するために、フランス空軍ではよく訓練された鷲を採用した。
不審なドローンを無力化させるために最も簡単なのは、銃で撃ち落とす方法であるが、その場合破片などが飛び散り、市民が負傷する危険性がある。
あるいは不審なドローンが人体に有害な薬品などを積んでいた場合にも、安易な破壊行為によって薬品が飛散し、被害が拡大することが考えられる。
その点、訓練された鷲はカギ爪でドローンを捕獲して、そのまま地上へ持ち帰ることができる。鳥の王者の面目躍如というわけだ。
フランス空軍だけではなく、オランダ警察でも同様の取り組みがされ、鷲が実践訓練を受けている。
ドローンというハイテクの登場によって、数多くの素晴らしいローテクの技術も再評価される時代なのかもしれない。
ただ、もちろんドローンのプロペラなどによって鷲が負傷してしまう危険性はある。主力ではなくサポートとしての活用が現実であろう。
(下記動画はオランダ警察での鷲の訓練の様子)