荷物の運搬に農薬散布、はては趣味の空撮まで――。
上記のような人間の仕事を肩代わりしてくれる頼もしいツールとしてドローンが注目されているのは、あなたもご存知のとおりだろう。
一方で日本ではあまり知られていない大きな役割を持っている。
そう、それは軍事目的での利用である。
そもそもドローンは軍事目的を主として進化した。
実際の戦争でももちろん実用化されており、ここでも人間の肩代わり――要するに、無人機での爆撃を行う。
しかし、悩ましいのは爆撃の精度が低いために、民間人を巻き込む可能性が高いことだ。
兵士たちは己の命を賭けることなく、まるでゲームのようにドローンを操縦して爆撃を行う。
だが、その「まるでゲーム」の中であっても、民間人をも傷つけていることに無関心ではいられない。いや、標的を殺すことに対してもそのカメラの精度から強いストレスとなる。
事実2015年には、米軍のドローン操縦士だった45人の退役軍人が、連名で「人権の原則にも反している」任務放棄を呼び掛けている。