日本の既存のビジネスにドローンを取り入れて、すでに成功しているビジネスがあります。農業やスポーツ中継、そして研究調査にも使われています。ドローンを自分のビジネスに取り入れるヒントにもなりますので、紹介します。
ノリ養殖にドローンを取り入れ危険回避
佐賀県では、政財官が連携し、地元の名産である有明海のノリ養殖にドローンを取り入れています。病害や赤潮、カモ被害、バリカン症の対策に使われています。
ノリ養殖において問題となるものに赤腐れ病という病気があります。赤腐れ病とは、細菌の寄生で、赤さび色の斑がノリにできて途中で切れてしまう病気ですが、ドローンのカメラを使い早期の発見することで、対策をとることができるのです。
さらに赤潮対策にもドローンは活躍しています。ドローンは広域に空撮することができますので、発生個所を特定し、マップ化することで漁業関係者に知らせて、対策が講じられるようにしています。
ノリ養殖においてもう1つ問題となるのは、バリカン症という症状です。バリカン症はノリを1㎝残しただけで消失してしまう症状で、カモの食害と水あたりが原因だと言われています。こちらも早期の発見で対策が行ないやすくなる他、カモを追い払うのにドローンが使われています。
これまで農業分野にたくさんドローンが使われてきましたが、漁業分野にもドローンを生かそうとするのは革新的なアイデアです。今やたくさんの養殖漁業が行われていますので、ビジネスとして注目です。
ドローンを使った迫力あるスポーツ中継
2017年4月8日に等々力競技場で行われた川崎フロンターレ対ヴァンフォーレ甲府のJリーグの公式戦の試合で、ドローンがJリーグの公式戦で初めて使用されました。
ドローンが地上45mから撮影することで、今までとは違った中継を楽しむことができました。川崎フロンターレの高さ15メートル長さ145メートルの巨大なフラッグがバックスタンドに掲げられる様子を迫力のある映像で届けることができます。
さらに、選手の入場時や選手が喜びで沸く様子も上空から撮ることができます。また、ドローンのカメラには追尾システムがあるので、キープレイヤーを追いかけ、試合中の動きを逃すことなく捕えます。
これまでにない映像を届けることができるということで、大きなイベントでドローンを用いる可能性を感じます。安全面など課題は多いかもしれませんが、様々なイベントで使える可能性があり、ビジネスにつながる可能性を感じます。
ドローンを使って動物の生態調査
北海道の標津町ではドローンを使ったヒグマの生態数調査が行われました。近年、ヒグマによる農作物の被害と共に、食べ物をあさるために民家近くに降りてくるので、被害を受ける人が増えています。
そこで、ドローンを使ってヒグマの生態の確認が行なわれました。もちろん、ヒグマは穴にもぐることもあり、正確な生態数をドローンだけでつかむのは難しいですが、足跡を発見し、一定の成果が得られています。
ドローンの良さは、ヒグマに遭遇せずに生態調査ができることの他、人間が立ち入ることができない雪の積もった山や断崖絶壁も容易に入れるということです。
近年は、猟師の減少により、動物による農作物の被害は大きな問題となっています。そこで、ドローンを使うなら安全に生態数調査ができる他、動物を追い払うような対策をとることもできますので、今後もこの分野でのビジネスも期待できるのです。
日本の既存ビジネスにドローンを活用した事例を紹介しました。ドローンは養殖などの漁業分野にも取り入れられています。さらに、大きなイベントで迫力ある映像を届けることや動物の調査など研究分野にも使われています。