拡大の一途を辿る市場規模!ドローンに期待されるビジネス活用法

更新日: 2017.04.26 公開日: 2017.04.26
img

ドローン市場は右肩上がりの成長が見込まれています。すでに空撮や農業散布などで活用されており、宅配便での実証実験のニュースも記憶に新しいところ。将来的にはどのようなビジネス活用が期待されているかについて概観します。

目次

ドローンを利用したインフラ整備

ドローンを利用したインフラ整備
アメリカの証券会社ゴールドマン・サックスのドローンの市場規模に関する推計によれば、建設事業が111億6400万ドルと予想され、全産業のなかで1位となっています。このことからもわかるとおり、今後はインフラ関連の産業において真っ先にドローン活用の場が広がっていく可能性が高いと言えるでしょう。
たとえば、老朽化が進む道路やトンネル、陸橋などの定期検査にもドローンを活用しようという動きが進められています。現在よりもかなりのコスト圧縮が可能になるため、2020年に開催される東京五輪にむけた大幅な需要の拡大に対応するためにも、大きな注目を集めています。
さらに、地震や豪雨といった災害が生じ、インフラ設備の損壊が起きた際にも、ドローンの活躍が期待されています。人が近づきにくい場所へも容易に到達することができるため、迅速・的確に情報を収集することができるというわけです。

ますます拡大するドローンの農業利用

ますます拡大するドローンの農業利用
すでに導入が進んでいる農業の分野でも、さらにドローンの活躍が見込まれています。先のゴールドマン・サックスによる推計のなかでも、ドローンの農業市場規模は59億2200万ドルと予想されており、建設に次ぐ2位と、ますます発展が期待される分野と言えます。
農業に携わる人々の高齢化にともない、農業経営が今後ますます困難になっていくと予想されます。そんななか、ドローンの導入によって新たな農業スタイルが注目を集めています。農薬の散布だけでなく、広大な土地での作物の生育状況の確認や害虫や作物の病気の発見をドローンによって行うことができます。これが、高度なデータ管理・解析システムを活用することで、大幅な効率化・低コスト化が実現できるはずです。そうなれば、経験の浅い若い世代の農業従事者でもじゅうぶんに農作物を栽培することが可能になると期待されています。

セキュリティ面での活躍も期待される

セキュリティ面での活躍も期待される
警備・監視の領域でのドローン活用にも注目が集まっており、すでにドローンによる警備・監視を導入している警備会社もあるようです。
たとえば、業界大手の綜合警備保障では、2014年よりメガソーラー発電設備の空撮と点検にドローンを利用し、大幅なコストカットに成功しています。
また、やはり大手のセコムでも、2015年より、LEDライトと監視カメラを搭載した小型ドローンを採用しています。なんらかの異常を感知すると、ドローンが上空から車種とナンバープレートや人物を撮影。情報をセンターに送信し、トラブルの解決に役立てるというサービスをすでに開始しています。

ビジネスでドローンを活用する上での課題

ビジネスでドローンを活用する上での課題
ただし、ビジネスのさまざまな分野でドローンを活用する上で課題がないわけではありません。その最たるものとして挙げられるのが法整備です。
ドローンに関する法律の整備はかなり遅れているのが現状です。改正航空法では、空港およびその周辺やではもちろん、航空路でなくとも高度250m以上の上空メートル以上の領域でドローンを飛ばすことができません。これでは飛行がいちじるしく制限され、産業利用にとってもあしかせとなりかねません。
また、ドローンが万が一、道を歩く人や車両の上に落下する可能性があることを想定すれば、道路交通法にも抵触することになります。安全を確保し、なおかつビジネスでの活用を推し進めるためには、ドローンの所有者や操縦者を認証制にするなど、基本的な仕組みづくりがなされなくてはなりません。
また、宅配などの配送サービスにドローンを活用する場合には、民有地の上空を飛行する際の制限がネックとなります。民法では、土地所有権について、建造物の高さプラス300m以内と規定しているため、ドローンを使って荷物を届けるには、土地の所有者の承諾が欠かせません。つまり今の法律のままでは宅配にドローンは使えないことになります。

ドローンに期待されるビジネス活用法や、そのために解決しなければならない課題についてご紹介してきました。ドローンがさまざまな産業にとって画期的なツールであることは間違いないようですが、より自由な発想を形にし、より住みよい社会とするためにも、バランスのよい仕組みづくりにも期待したいところですね。

利用目的からドローンに
ついて知る