空撮に物資輸送に点検作業――ドローンにできることは多彩だ。
そしてできることの範囲はますます広がっている。
しかし、ドローンはなんでもできる「夢の道具」では、決してない。
たとえば、ドローンで空撮をすることは確かに可能だが、その写真を「美しく撮る」ことを第一に考えれば、単にドローンが操縦できるだけではいけない。
スキルを持ったカメラマンが、ドローンというツールを活用して撮影を行うことで、初めて「美しい空撮写真」が手に入る。
あるいは、ドローンが何らかの点検作業で持ち帰ったデータを、人間がうまく活かせずに見逃してしまったらまったく意味がない。
「どのような目的でドローンを使うのか」
「ドローンの管理体制・運用体制をどうするか」
そういった部分を固めていない限り、ドローンは単に数十分ほど空中に滞在できるだけの、高機能な玩具に成り下がってしまうのである。
ドローンを最大限に活用させるための、管理体制や運用体制を考える頭を持っているのは、ドローンではなく人間なのだから。