ドローンは各産業のビジネスモデルにどのような影響を与えているのでしょうか。今回は農業、空撮、点検・検査、測量、物流の5分野でのドローンの活用方法と今後の展望を見ていきます。
5年後にはドローン市場は約4倍も拡大する
ドローンは今後ビジネスの中で、重要な役割を担う存在となっていくでしょう。
ドローンは現在約400億円の市場規模ですが、5年後には4倍も規模が急増すると予測されています。それだけドローンはビジネスとして投資する価値のある市場であるということです。
金額でいえば現在のドローン市場はだいたいベビーフード産業ほどの市場規模です。しかし5年後にはタオル製品産業ほどの市場に拡大します。タオルというと日常の必需品です。つまりドローンも5年後には、日常生活では見ない日がないくらいの当たり前の存在になるのかもしれません。
現に各産業分野では、次々にドローンを取り入れ始めています。市場の拡大とともに精度の高い有用なドローンが登場することでしょう。実用的で将来性が見込めるドローンは、各産業のビジネスモデルをどのように変えるのでしょうか。
ドローンの可能性は無限に拡がっている
ドローンが日本で民間利用されるようになったのは、1990年代頃からだといわれています。遠隔操作や自律飛行ができることで、ドローンは大きな可能性を秘めていると世界中で注目を集めました。
最近だとイギリスでAmazonがドローン配送を実施したことが話題になりました。日本では配送というと、トラックで人が配達して回るのが普通です。しかしドローンを使えば人がいなくても配達ができるようになるのです。非常に画期的で衝撃を受けた人も多かったのではないでしょうか。本格的な実用化には至っていませんが、日常的にドローンが配送してくれる日が近い将来やってくるかもしれません。
ドローンを取り入れれば今までできないと思っていたことができるようになり、その結果大きく産業を進歩させます。ドローンは各産業のビジネスモデルすら変えてしまうほどの、未知数の可能性を秘めているのです。
各産業のビジネスモデルとその活躍
各産業でドローンは少しずつ活躍の場を広げています。
農業分野
2015年度までは農業利用が約8割を占めていました。2017年には手作業の約60倍のスピードで農薬を散布できるDJI Agras MG-1が実演公開されて話題となりました。
土壌分析や種まき、作物の管理に活用できるドローンの開発と研究も進んでいます。
空撮分野
映像制作で使われることが主でしたが、現在では災害事故の状況把握や警備などで実用化が進んでいます。今後は追尾機能や自律動作で、さらに犯罪防止や精度の高い状況把握ができると期待されています。
点検・検査分野
成長率が著しく、特に老朽化したインフラ設備点検の効率化を目的とした使用に注目が集まっています。足場が組みにくい場所でも、安全な点検が可能です。
現在は本格的な運用レベルとなるように検証が進められています。
測量分野
2016年9月に公共事業での測量や設計にドローンを使うことが実質的に義務化されました。従来の5倍の速さで測量が完了することから、作業負担減少と人手不足の対応に繋がると考えられています。
3億円以上の公共事業が発注対象のため、急激な成長発展を遂げる可能性があります。
物流分野
大手企業が将来性を見込んで試験飛行を行っています。2016年5月に楽天が「そら楽」のサービスを開始して、ゴルフ場内での配送を試験的に実施しました。
日常に直接的に関わるため、積極的な開発が望まれている分野です。
各産業分野でのドローンの活躍ぶりは目を見張るものがあります。今後も、今までの常識がドローンによって覆されることが増えていくでしょう。
ドローンを活用することによる産業の発展に、今後も期待が高まります。”