フグは英語ではパファーフィッシュ、バルーンフィッシュ、バブルフィッシュとも言いますが、それは彼らが身の危険を感じたときにに空気や水を胃にためて膨らむ姿から来ています。
そんなフグからインスピレーションを受けて、コロラド大学ボルダー校のエンジニアたちは、フグのように膨らんでドローンの安全性を高めるロボット「PufferBot」を開発しました。
PufferBotは、命令があると瞬時に膨らむプラスチックのシールドを持ったロボットです。エアバッグのように機能して、ドローンが人や障害物と危険な衝突をするのを防ぎます。
コロラド大学ボルダー校の院生Hooman Hedayati氏は、次のように話します。
「安全情報をユーザーとコミュニケーションするロボットを作ろうと考えていて、動物はそんな時どうしているのかを調べ始めたのがきっかけです。私は長年ドローンについて研究してきましたが、ドローンを飛行させるときはいつも不安です。もし人の上に墜落して、怪我をさせてしまったら?PufferBotはそんな個人的な不安から生まれました。
YouTubeには、ドローンが墜落して人に衝突したり、クラッシュしたりする動画がたくさん投稿されています。こうした危険性は、ドローンを含むロボットを生活や家の中に取り入れることに対して人々に不安を抱かせるでしょう。しかし、私達エンジニアは、ロボットは素晴らしく、たくさんのタスクをこなすことができると知っています。工場の檻の中だけで活躍させるのはもったいない」
PufferBotの外見は、フグというより「ホバーマンスフィア」に似ています。プラスチックのフープでできたエアバッグで、直径20インチから33インチにまで膨らみます。
通常時、PufferBotは邪魔にならないよう小さくまとまっています。危険が近づくとPufferBotは広がって、障害物や人からドローンを遠ざけます。
さらにHedayati氏によると、「膨らんだPufferBotは物理的に障害物を避けるだけでなく、周りの人に”ドローンに近づくな”とメッセージを伝える役割もある」といいます。
PufferBotを開発したエンジニアたちは、災害時の瓦礫の中で生存者を探す等の場面でPufferBotが活躍することを期待しています。PufferBotは、2020年10月25日に開催されるIROS 2020で発表される予定です。