ニュージーランドのタラナキ地方で、ニュージーランドのシンボルである鳥「キーウィ」などいくつかの在来種をドローンでモニタリングするプロジェクトが行われています。タラナキ地方でキーウィ保護活動を行っている慈善団体「Taranaki Kiwi Trust」と、オアラク小学校の7歳から8歳の児童とのコラボレーションによるものです。
キーウィは絶滅の危険性が高いため、キーウィの卵は野外から採取され、孵化したあと生存率が高い体重になるまで飼育されます。その後野外に放されたキーウィを、ドローンによってトラッキングできるのかを調査するのがこのプロジェクトの目的です。「Drone Technologies」のCEO、Ben Plummer氏がプロジェクトのサポートを行っています。
ドローンはテレメトリ(遠隔測定法)機器を積み、グリッドパターンを描くように飛行して、放されたキーウィに取り付けた送信機からの信号を探します。そしてドローンが送信機に近づくと、ビープ音が鳴ります。グリッドパターンを描く飛行方法は、児童たちによってデザインされました。
児童らは、グループに別れ、送信機を隠したり、見つけたりといったアクティビティを通してテレメトリ機器の使い方を学びました。実際にキーウィのモニタリングを行うのは、これから行われるクラス旅行だということです。
ある児童は、「本物のキーウィを見たことはないし、キーウィについてほとんど知らなかったけれど、この機会を通してキーウィについてたくさん学んだ。実際に目で見るのを楽しみにしている」と話します。
このプロジェクトのリーダーを務めるTaranaki Kiwi TrustのSian Potier氏は、キーウィをドローンでモニタリングする試みはこれが初めてだろうと述べています。現在の方法では、地上に設置するテレメトリ機器が使われていますが、キーウィは野外に放たれた後身長25メートルに達することもあり、時には固定翼航空機を使う必要があるのです。コストがかかるため、キーウィを放した後1〜2年しか追跡できないのだといいます。
Potier氏は、「ドローンを使ったこのプロジェクトが成功すれば、固定翼航空機を使わなくて済む上に、より正確な調査を、低コストで長期的に行うことができるでしょう。後にはキーウィだけでなく、他の絶滅に瀕する生き物のモニタリングにも使えるはずです」と期待を寄せています。
(画像引用:https://www.stuff.co.nz/environment/300102555/kids-trial-project-using-drones-to-track-kiwi-in-taranaki)