ドローンでメタンを検知 シェルとベーカー・ヒューズが提携

更新日: 2020.09.04 公開日: 2020.09.04
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石油会社大手の「シェル」が、エネルギーサービス会社「ベーカー・ヒューズ」のドローン関連部門「Avitas」と提携を結んだと発表しました。アメリカテキサス州パーミアン盆地の石油採掘現場で、メタンの漏れを検知するモニタリングをドローンで行う計画のためです。石油・ガス産業においてドローンの利用は未だ広まっていない中、シェルは早い段階でドローンをオペレーションに取り入れています。

 

パーミアン盆地では、既存のメタン漏れ検知・修復プログラムに加えて、ドローンに搭載された光学式ガス検知カメラとレーザーによる検知システムが利用される予定です。シェルは、2025年までに北米でのメタン排出量を天然ガス生産量の0.2%未満まで減らすことを目標としており、ドローンは目標達成の要となります。

 

Avitasはマサチューセッツ州ボストンを拠点にし、ドローンを使った検査を開発しているスタートアップでしたが、2019年にベーカー・ヒューズによって買収されました。

 

シェルは2018年からパーミアン盆地のいくつかの施設でAvitasのドローンを使った実験を続けています。実証された結果に基づいて、シェルはパーミアン盆地における全オペレーションエリアでドローンを使用する計画を立てています。シェルのオペレーションエリアは500ヶ所以上あり、そのうち150ヶ所は空気質指数(大気汚染の程度を表す指標)を報告する義務が課されています。

 

オペレーターは、ドローンプラットフォームとその補完ソフトウェアは、従来のシステムに比べてメタンの漏れを検知する能力が高く、将来的にはより広い範囲をカバーするため高高度を飛行できるドローンを使うことが望ましいと話しています。それによって、メタン漏れを修復するスピードが上がり、メタン排出量が減って地球温暖化対策にもつながるといいます。

 

シェルは、パーミアン盆地においてメタンセンサーの概念実証ネットワークを構築する、テキサス大学のプロジェクト「ASTRA」に参加しています。さらに、同社のメタン排出基準と削減計画は国が定めるものより厳格であること、ドローンを使用するシステム以外にも、汚染物質の排出削減につながる様々なテクノロジーの開発に取り組んでいることを強調しています。

 

(画像引用:https://uasweekly.com/2020/09/03/shell-and-baker-hughes-venture-going-big-on-methane-hunting-drones/)