スイス・チューリッヒのスタートアップ「Fotokite」は、火事の現場の被害状況を確認する、傷病者を発見して救急隊員に引き継ぐなどといった、ファーストレスポンダーとしての役割を受け持つドローンの開発に取り組んでいます。緊急性の高いシーンで、どれだけ素早く配置・離陸できるかに重点が置かれています。
火災の対応において、ドローンは非常に重要な役割を果たすだろうと期待されています。ドローンが空から撮影した写真や動画を提供することで、消防隊員が地上から目で確認するよりもより早く、正確に全体の被害状況を把握することができるからです。
Fotokiteが発表したファーストレスポンダー向けのドローンシステム「Roodtop」は、その名の通り屋根の上からドローンを離陸させるものです。緊急車両の屋根の上にドローン用のボックスが取り付けられていて、車両が現場に到着すると即座に同社の6翼ドローン「Sigma」が飛び出します。ドローンは約45メートルのワイヤーでボックスにつながっていて、常に電力が供給され、データの送受信もワイヤーを通して行います。
バッテリーで駆動するドローンと違い、ワイヤーで常に電力を供給されるSigmaは、何時間も飛行やホバリングを行い、RGBカメラと赤外線カメラによる撮影データをストリーミングし続けることができます。さらにSigmaは完全に自動で飛行することができるのです。ボタンを押すだけで離陸、飛行、着陸が自動で行われます。
Fotokiteによると、ドローンは緊急車両が現場に到着して10秒以内に離陸し、映像のストリーミングを開始できるということです。
凧のようにドローンをつなぐワイヤーはFotokiteのシンボルで、社名の由来にもなっています。Fotokiteは、2018年の世界最大級のドローンビジネスコンテスト「Genius NY」において、ドローンとワイヤーを組み合わせるコンセプトが高く評価されて優勝しています。
(画像引用:
https://dronedj.com/2020/05/20/fotokite-launches-roof-mounted-first-responder-drone/)