2020年4月18日、中国広東省珠海市で300機のドローンを使った光のショーが行われました。これは新型コロナウイルスの感染拡大が中国で最も深刻だった湖北省において、最前線で戦ってくれた医療従事者への感謝を示すためのものです。ドローンは一糸乱れぬ見事な連携を見せ、夜空をアニメーションで彩りました。動画には、マスクをしながら笑顔で夜空を見上げる人々の姿が写っています。
湖北省では、新型コロナウイルスの感染者に対応した医療従事者は、自身が感染していないことを確認するための自己隔離期間を取っていました。ショーでは自己隔離を終えた医療従事者に向けて、「Welcome」などの文字がドローンによって描かれました。さらに、天使の姿をしたナースや、笑顔でマスクを脱ぐ女性、白衣の男性など、医療に関連する様々なイメージが描かれ、医療従事者への感謝を伝えています。
湖北省の武漢では2019年12月下旬、世界最初の新型コロナウイルス集団感染が発覚し、ウイルスの発生源であるとも考えられています。武漢では強力なロックダウンが行われ、地域全体で人の移動が禁止されました。
中国政府は新型コロナウイルス対策にもドローンを用いています。まず、メガフォンを搭載したドローンによって街を巡回し、外出禁止を守らない人々に家に帰るように呼びかけました。後にロックダウンを行った他国もこの方法を採用しましたが、アメリカでは警察による不当な監視行為であるとして反発の声も上がっています。
さらに、中国の農家は農業用ドローンを感染拡大防止に役立てました。元々農薬の散布などに使っていたタンクとノズルを搭載したドローンを使い、操縦技術を活かして、消毒剤の散布を行ったのです。これに習い、スペインやインドでもドローンによる消毒剤の散布が行われました。