アメリカ・サンフランシスコにある「ゴールデンゲートブリッジ」は、撮影スポットとしても人気が高い観光地の一つです。ドローンが小さく、運びやすく、安価になった現在、ゴールデンゲートブリッジを上空からドローンで撮影しようとする人が増えています。しかしその多くが違法フライトであり、中には橋の上で衝突や墜落事故を起こし、通行している車両を危険に晒した例もあるのです。
2014年、アメリカ合衆国国立公園局は国立公園内でのドローンの使用を違法と定めました。公園内を歩く人々と、そこに暮らす自然の動植物の安全を守るためです。ゴールデンゲートブリッジが存在するゴールデンゲート国立保養地(Golden Gate National Recreation Area)もこの規制の対象になっています。
2015年から、ゴールデンゲートブリッジには「ドローン禁止」の看板が設置されました。「ゴールデンゲートブリッジ周辺でドローンを離陸、着陸させたり、操縦することは禁止されています」と書かれています。
しかし、現在でも多くの観光客がゴールデンブリッジ周辺でドローンを使用しているのが現状です。ゴールデンゲートブリッジを管理する公共交通機構(Golden Gate Bridge, Highway and Transportation District)によると、2014年には5機のドローンが橋の車道に墜落し、2018年にも2機が墜落しています。
Golden Gate Bridge, Highway and Transportation DistrictのCEO、Denis Muligan氏によると、墜落したドローンのうち1機の事故の様子が監視カメラの映像にはっきりと残されていました。2人の若い女性が橋のマリン郡側に立ち、サンフランシスコ郡側に向かってドローンを飛ばしますが、ドローンはコントローラーとの接続を失い、車道の上に落ちていったということです。
このような事故を防ぐため、ゴールデンゲート国立保養地はパーク・レンジャー(国立公園等の中で環境保護のため働く職員)によって監視されていて、ドローンは見つけ次第捕獲されます。国立公園の広報Charles Strickfaden氏は、次のように話します。
「ゴールデンゲート国立保養地では、1年におよそ20機の違法ドローンが報告されていますが、実際にはもっと多くの違法ドローンが使用されています。違法ドローンによって撮影したと思われる写真や動画がインターネット上にアップロードされている場合、パーク・レンジャーとパーク・ポリスが投稿者に連絡し、場合によっては起訴します」
2015年にゴールデンゲート国立保養地で捕らえられた26機のドローンの所有者には、それぞれ192ドルの罰金が科せられました。一方FAA(連邦航空局)は、国立公園内でのドローンの飛行を特に禁止していません。
(画像引用:https://dronedj.com/2020/02/24/illegal-drone-flights-and-crashes-at-the-golden-gate-bridge/)