WIREDの2019年1月15日の報道によると、スイス連邦工科大学からスピンオフした企業レイクダイヤモンドが、飛行中のドローンにレーザーを使って安定的に電力を供給する技術を開発しました。
これまで、飛行中のドローンをバッテリなしで飛行させる技術として、レーザーを使って電力を供給する方法が、米国防高等研究計画局(DARPA)はじめ、多くの民間企業によって研究されてきました。しかしこの方法には、レーザーの光の強さはドローンとの距離に伴って低下するにもかかわらず、レーザー光線の質を確保し、それによって安定した強い光線をドローンに届けなければならないという課題がありました。
これに対し、レイクダイヤモンドが開発したのは、レーザー光線を従来より遠くに、さらに質を落とさず飛ばすことができる人工ダイヤモンドです。同社によると、このダイヤモンドで強化した電源のネットワークを地上に配置すれば、ドローンの長距離飛行が可能になります。また、大型バッテリを搭載する必要がないため余分な動力も消費しなくてすみます。
同社が開発したテストシステムでは、現在直径1.55μmのレーザー光線による4Wの送電が可能です。最長10m離れた場所にいる手のひらサイズのドローンにも、時間無制限で電力を供給し続けることができます。
レイクダイヤモンドの最高経営責任者(CEO)パスカル・ガロ氏は、「次のステップは、最長100m離れた場所を飛ぶプロ仕様のドローンに100Wの電力を供給できるシステムを2、3年以内につくることだ」と語っています。