2019年12月4日、アメリカ・ロサンゼルスで報道ヘリコプターの尾翼に何かが衝突したと緊急着陸する事故がありました。ヘリコプターの乗員によるとドローンではないかということです。
緊急着陸したのはCNN系列のテレビ局KABCのヘリコプター「Air7 HD」で、ロサンゼルス・ダウンタウン東の上空を高度約335メートルで飛行中でした。同局の記者 Chris Cristi氏によると、まずはじけるような音がして、その後大きな衝撃音がしたといいます。
Cristi氏は、「音がすると同時に衝撃を感じて、乗員はお互いに目を見合わせたが、何が起こっているかはわからなかった。恐ろしい数分間だった」と話します。最初は、よくあるように鳥が衝突したのではないかと考えたものの、着陸後機体の損傷を確認してみると、明らかに鳥ではないことが判明しました。
衝突した物体はヘリコプターのテールを貫通していただけでなく、機体のあちこちにへこみや傷を作っていました。さらにCristi氏によると、パイロットはドローンのものと思われる点滅する光を目撃しています。
アメリカ連邦航空局(FAA)、国家運輸安全委員会(NTSB)がこの事件について調査を進めています。もし衝突したのが本当にドローンだった場合、このドローンの飛行は違法だった可能性があります。FAAは、娯楽用ドローンのユーザーは航空管制の範囲外では高度400フィート(約120メートル)以下で飛行しなければならないと定めていて、さらに空港付近でのドローンの飛行を禁止しているからです。
ロサンゼルス市の条例でも、ドローンを400フィートより上空で飛行させること、許可なしに空港の5マイル圏内を飛行させること、さらに有人航空機の経路に侵入することを禁止しています。 ロサンゼルス警察は、「当たりどころが悪ければ大事故になりかねなかった」とコメントし、違法なドローンの飛行は迷惑なだけでなく大きな危険につながることもあると警告しています。
2019年11月にもカリフォルニアでは、火事現場で消火活動にあたるべく出動したヘリコプターが、ドローンが目撃されたことで待機を余儀なくされる事件がありました。
(画像引用:https://edition.cnn.com/2019/12/05/us/helicopter-drone-emergency-landing-trnd/index.html)