サンフランシスコのスタートアップ「Iris Automation」は、FAA(アメリカ連邦航空局)の許可を受け、ドローン自体に搭載された障害物回避システムを使ったBVLOS(目視範囲外)飛行を成功させました。これまでFAAはBVLOS飛行に関して、地上基地に設置された障害物回避レーダーと、監督者が必ず必要であるとしてきました。よって今回Iris Automationが行ったような、地上基地ではなくドローン本体のレーダーのみを使って障害物を回避し、監督者のいない飛行がFAAから許可されたのは、初めてのことです。
この飛行がFAAに許可されたのは、2019年初めにアラスカ州で行われた実験結果を受けてのことでした。実験では、2機のドローンをまるでチキンゲームのように、走行中の車に正面からぶつかるよう飛ばしました。2機のドローンのうち1機は人間によって操縦されていて、もう片方はIris Automationが開発する衝突回避システムによる自動運転です。車への衝突をより高確率に避けられたのは自動運転のドローンで、なんと95%もの確率で避けることができました。
この結果は、FAAに史上初めての地上基地による障害物回避システム及び監督者なしのBVLOS飛行の実験を許可させるのに十分なものでした。そして2019年11月、歴史的なフライトがカンザス州で行われたのです。
カンザス州運輸省航空課のBob Brock氏によると、このフライトの成功は、他州で行われているドローン実験にも大いに影響を及ぼすだろうということです。地上基地に設置された障害物回避システムと監督者を必須とすると、実験を行うのに莫大なコストがかかります。Brock氏は、これから全国でますますドローン実験の可能性が広がるだろうと話しています。
Iris AutomationのCEO、Alexander Harmsen氏は、このフライトの成功は、商業用ドローンを現実のものにする大きな一歩だと期待を込めて語っています。
Iris Automationは、2019年11月12日に発表されたCNBCの「世界で最も有望なスタートアップ100選」に選ばれました。
(画像引用:https://www.cnbc.com/2019/11/12/drone-company-makes-first-of-its-kind-blind-drone-flight.html)