2019年10月3日、アメリカの自動車メーカー「フォード」が、緊急時に自動車のトランクから飛び立つドローンの特許を取得しました。このドローンは4枚の羽を持つクアッドコプターで、ニーズに応じて様々なプログラムを組んだり、カスタマイズしたりできるといいます。
フォードがドローン分野に関心を示したのは、これが初めてではありません。2018年には、ドローンに搭載されているLEDを用いたトラッキング・個体識別システムを発表しました。そして今回は、緊急対応にドローンを用いるシステムを開発しているのです。
ドローン分野での挑戦について、フォードは「ドローンの普及が急速に進む今、我々の顧客もドローンをライフスタイルに取り入れたいに違いないと考えています」と話します。
このプロジェクトにおいて、緊急対応にドローンを採用する最大の理由は、自動車を大幅に上回る「機動力」です。ドローンはトランクから発進したあと、走行する自動車に追随したり、警察やレスキューに位置情報を発信したりという役割を果たします。
今回フォードが取得した特許では、ドローンは自動車のトランクの中で充電、保管され、必要があればトランクから飛び出して緊急時援助の役割を果たすと、イラスト付きで説明されています。イラストに描かれている自動車は「フォード・フュージョン」ですが、SUV、トラック、セダンなど、すべての車種でこのドローンを使うことができるとされています。
ドローンがフォードによって製造されるのか、例えばカリフォルニアのドローン関連スタートアップ「Skydio」など、他のドローンメーカーが手掛けるのかは、明確に示されていません。
自動車とドローンを組み合わせようとしている自動車メーカーはフォードだけではなく、最近ではドイツの「アウディ」、「ポルシェ」もドローンに関心を持っています。アウディが2019年のフランクフルトモーターショーで発表した、電気自動車のコンセプトカー「Audi AI:Trail」は、LED搭載ドローンをヘッドライト代わりに使います。ポルシェは、フォードと同じように、トランクからドローンが飛び立つスポーツカーを発表しました。