中国は、ネットを使って敵を捕獲するドローンを開発したと発表しました。この”ハンター”ドローンは、16平方メートルのネットを発射して敵のドローンや小型航空機を無力化することができるといいます。その様子はまるでスパイダーマンさながらです。
中国航天科工集団公司(CASIC)が開発したこのドローンは、6枚のプロペラで飛行するヘキサコプターです。中国軍のレポートによると、ネットによって捕獲された敵のドローンは、動力を失って地上に落下するとされています。対象となるのは低速で低高度を飛行する小型の敵機体で、ネットは自動で発射されます。
さらに中国軍によれば、このドローンは戦闘エリアと非戦闘エリアの両方で、監視や偵察の役割も果たします。レーダーシステムや、陸上ロケット発射装置と連携することも可能です。
ある軍事専門家は、2018年にベネズエラで発生した、Nicolas Maduro大統領暗殺未遂事件を思い出してほしいと語ります。Maduro大統領が国家警備隊創設81周年の記念式典で演説している最中、爆発物を積んだ小型ドローン2機が大統領に迫り、上空で爆発したという事件です。大統領に怪我はありませんでしたが、兵士7人が負傷したと言われています。
「この”ハンター”ドローンの捕獲対象になる小型、低速、低空を飛行するドローンは、従来の防空システムでは迎撃しにくかったものです。Maduro大統領暗殺未のような事件を防ぐのに向いています。あらゆる安全上保障上の脅威を監視するのにも役立つでしょう」
また、中国は2019年8月、ロシアで行われたエアショーでステルス機能を備えたドローン「LJ-I」を公開しています。米軍のステルス戦闘機「F-35」に対抗するためのものだということです。
アメリカも2016年に、ネットを発射して敵のドローンを捕獲するドローンを開発していました。しかしアメリカ国防省は、ドローン技術においては中国が優勢であるとの見方を示しています。
この”ハンター”ドローンに類似する兵器は、中国やアメリカだけでなく、各国で続々と開発されています。