建築関係のメディアBUILTの2019年1月28日の報道によると、東京電力パワーグリッドは、山間部の送電線工事を対象に、1tの資機材運ぶドローン機体の実用化を目指し、2019年2月に実証を開始します。
現在、山間部の送電線工事については、大型の重機や資材など多数の重量物の運搬が必要で、年間数億~数十億円の膨大なコストがかかり、さらに環境負荷がかかることが課題となっています。
そこで東電パワーグリッドは、ドローンを使ったより低コストで、環境負荷の低い、新たな資機材運搬方法の研究開発を進めています。開発では、ドローン技術のとくに、「機体中央から放射状に配置された複数のローター(回転翼)を同時にバランスよく回転して飛行する」というマルチロータ技術に主眼をおいています。
2月に実施される実証実験では、まず10kgの資材運搬からスタートし、運用面・安全面に関する評価をしつつ、段階的に積載量(ペイロード)を引き上げ、最終的には1tを目標にします。
実証場所は、福島・南相馬市の「福島ロボットテストフィールド(RTF)」でのテストを経て、実際に山間部の送電線建設工事現場への展開を予定しています。
東京電力パワーグリッドは、これまでにもドローン技術を多用途で活用しており、福島第一原子力発電所3号機の原子炉建屋内の線量計調査をはじめ、天神原湿原の植生調査などに取り組んでいます。
最近では、イノシシに対して、ドローンに搭載した赤外線カメラによる夜間も含めた生息状況調査や超音波発信機で追い払えるかといった検証も行っています。
(画像引用:http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1901/28/news024.html)