DroneTimesの2018年12月10日の報道によると、バヌアツ共和国は2018年12月5日、同国の保健大臣ノリス・ジャック・カルメ氏は、同国の島々に住む子どもたちにワクチンを届ける、ドローンによる輸送試験を公式に開始したと発表しました。
バヌアツ共和国は、83の島々が1,600㎞にわたって広がる太平洋の群島国です。飛行場や敷設された道路があるのは有人島の3分の1に限られ、これが、 遠隔地域へのアクセスや支援を物理的に困難にしているという問題がありました。
このため、バヌアツ政府は、現在安定したワクチンの供給を受けられない遠隔地の島々に住む子ども(全体の約2割)に対し、ラストマイル(ワクチンを届ける最後の区間)の輸送を達成することを目標として、世界で初めて、ドローン企業2社、オーストラリアのSwoop Aero Pty Ltd of MelbourneとドイツのWingcopter Holding GmbH & Co. KG of Darmstadtとの契約を結んでいます。
今回の、輸送試験は首都のポートビラから約1時間の距離にある旧タカラ(Takara)滑走路で行われ、地域の住民や保健員、子どもたちなど100人以上が集まりました。
輸送試験の第一フェーズは12月5日から7日に実施され、エフェテ島北部(North Efate)の旧タカラ(Takara)滑走路から、エマオ(Emao)、ペレ(Pele)ならびに ヌグナ(Nguna)の上空を飛行し、約50㎞離れたシビリ(Siviri)のサッカーに実際のワクチンに近いパッケージを投下しました。
これについて、シャーロット・サルワイ・タビマスマス・バヌアツ共和国首相は「バヌアツの開発計画には、安定し、持続可能で豊かな国の未来像を形成する上で、遠隔地の島々に暮らす子どもたちにサービスを届ける革新的な手段が必要とされています」と語っています。
同国保健省および民間航空局は、2019年1月にも、エピ(Epi)、シェパード諸島(Shepherds Islands)、エロマンガ島(Erromango)、ペンテコスト島(Pentecost)の保健施設へのワクチンのドローン輸送の承認を、試験結果に基づき検討します。
このプロジェクトは、 同国保健省および民間航空局が主導し、ユニセフ、オーストラリア外務貿易省のinnovationXchange、および世界エイズ・結核・マラリア対策基金(The Global Fund to Fight AIDS, Tuberculosis and Malaria)が協力しています。
(画像引用:https://www.dronetimes.jp/articles/3649?fbclid=IwAR0iUp91R2u6t0x70cISeyRnQqItP9RpFs8pJZ7dJpXnygRA8unp_P2JuFE)