2012年に公開された映画「プロメテウス」を覚えているでしょうか。映画の中で、見知らぬ惑星でドローンを飛ばし、地下や地上に広がる未知の街を調査するシーンがあります。プロメテウスの舞台は2089年ですが、すでに米軍は地下設備を持った大都市での戦闘を見据え、未知の地形で戦う兵士をナビゲートするドローンを開発しようとしています。
米国国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Projects Agency, DARPA)は「地下チャレンジ(Subterranean Challenge)」という競技会を開催しました。これは地下におけるマッピング技術を競う大会で、トンネル、地下都市、あるいは自然にできた複雑な洞窟などの地下環境において、いかに素早く地図を作り、調査し、有効利用できるかに焦点が当てられます。
こういった地下環境は、しばしば戦争において重要な役割を果たします。例えば、ベトナム戦争における南ベトナム民族戦線、第二次世界大戦のナチス・ドイツ、地下環境をなくしてこの2つを語ることはできません。
地下チャレンジでは、地下環境の調査を人間ではなくロボットに行わせます。車両型のロボットは地形の変化や障害物に弱いので、活躍するのは飛行型のロボット、つまりドローンです。しかしドローンも未だに克服できていない弱点として、地下からワイヤレスにデータを発信することの難しさが挙げられています。
ドローンが映画「プロメテウス」のように縦横無尽に地下を飛び回り、3Dマップを作り上げる日はそう遠くないかもしれません。
(画像引用:https://www.popularmechanics.com/military/a23585202/flying-drones-map-underground-prometheus/)